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インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
第六話《不安》
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生まれつき身体的性別と、性同一性に関わる脳の一部とが、それぞれ一致しない状態で出生したと考えられている




それぞれ一致しない状態で出生したと考えられている






一致しない状態で『出生』したと




『出生』




ーー俺は。確かに。『私』を。使っていた。

じゃあ。俺は。

性同一性障害。でない俺は。

一体。

何だ?
















鼓動がうるさいくらい激しくなる。

嫌な汗が吹き出してくる。

ーーーー不安

それだけが、俺の中にあった。

俺は一体何なのか。

なぜ、男だと思えてしまうのか。

なぜ、中学以前を思い出せないのか。

なぜ、千冬姉は隠したのか。

なぜ、今まで気づけなかったのか。

不安。

俺の存在に対しての不安。

「あーっ、おりむーにとられてるー」

不意に声がし、俺はディスプレイを隠した。おっとりとし、聞きなれた声。

のほほんさん。俺の側にひどくゆっくりと駆け寄り、アザラシのように倒れる。

「この床がねー、一番ひんやりする気がするんだー」

いつも通りののほほんさん。自由気ままに生きている。

例え、俺に何が起こっていても、世界はいつも通りに動いている。

『余計なことは考えるな』

たしかに、そうだ。

俺は、俺なんだから。

「冷たい床もいいけど、ちゃんと景色もたのしみなよ」

少しだけ、軽くなった気がした。























午後十時、俺の部屋には読書好きの田島さん、オカルト好きの竹下さんとの六畳間。

とても静かだ。消灯前一時間は部屋から出ることを禁止されている。規則を破る人はいない。千冬姉がいるから。

俺は少し早いが、寝ることにした。

今日は色々あって疲れてしまったのか、布団に包まれたらすぐ、眠気が襲ってきた。

俺は俺。それでいいんだ。





















「明日は赤飯だね〜」

篠ノ之束は明日起こるであろうイベントを、待ち焦がれていた。

「これで〜箒ちゃんは〜」

口ずさみながら指を投影キーボードに走らせる。

空中投影ディスプレイには、

『箒ちゃんデビュープログラム!』と、可愛らしくデコレーションされている文字が写し出されていた。











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