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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
特訓と……
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だ。

「単刀直入に言うで。バルたんとこの【秘剣(トランプ)】君を今度の遠征に同行させたい」

「……はぁ?」

何を言ってるんだというバルドル様の声が溢れた。

「ちょっとロキ。自分が何をいってるのかわかっているのかい?」

「まぁ話は最後まで聞いてやバルたん。ちゃんと理由はあるから」

「理由、ねえ……それはこの間の事と関係あるのかな?」

「お、鋭いなバルたん。まさにその通りや」

フィン、とロキ様は控えていたフィンさんに事情を説明するよう求めた。
神の前で子は嘘をつけない。だからこそこの手段を取ったのだろう。なるほど、信用はしやすくなる。

フィンさんの話をまとめるとこうだ。

今回の遠征で、【ロキ・ファミリア】は五十九階層まで攻略(アタック)するつもりでいるらしい。
そこまではいいのだが、例の食料庫(パントリー)の事件で、あのレビィスという女がアイズにこう告げたのだとか。
『アリア、五十九階層へ行け。ちょうど面白いことになっている』

「……なるほど、今回の騒動に関係はあるのか」

「せや。今のダンジョンは何やよう分からんことになっとるからな。うちらの眷族()なら大丈夫やとは思うんやけど……こう、何かイヤーな感じがすんねん」

「神の勘ってやつかい?」

「まあな。こな騒動に関わってんのは他にディオニュソスんとことヘルメスのとこがあるけど、深層には力不足や。あっこは第一級の冒険者やないとキツイ」

「……で、式に白羽の矢がたったんだね」

バルドル様がチラリとこちらを見るが直ぐに視線をロキ様に移した。

「一応、この件に関してはうちらは協力体制やろ? 戦力が増えるのは助かるわや」

「君はそれでいいのか? ファミリアの威信をかけた探索だと思うんだけど」

「うちにとったら、眷族()の方が大事や」

そう言ってのけたロキ様の目は真剣そのものだった。俺が視線をフィンさんに向けると、向こうも此方に気付いたのか、コクリと頷いた。

「今回の遠征はファイたんとこの鍛冶師(スミス)の子らもついてきてもらう。【バルドル・ファミリア】とも合同ってことにするしな」

どや? と、ロキ様はバルドル様と、そして俺の方にも顔を向けた。

「……バルドル様、俺は受けてもいいと思います」

「……そうかい?」

「はい。俺としても、まだ見ぬ深層を見てみたいという気持ちもありますしね」

「……分かった。許可しよう。けど、無茶は禁物だ。ロキも、式のことを頼む」

「ありがとうございます」

「安心し。フィンに任せれば大丈夫や」

話が終わると、ロキ様とフィンさんは自らのホームへと帰っていった。

さて、遠征は八日後だ
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