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逆さの砂時計
ベゼドラ
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快感に仰け反った。
 「ッ ウェー……リ……」
 荒い呼吸で震え、それでも男の名前を呼ぶロザリア。
 神父は体を起こして長衣を脱ぎ捨て、彼女の細い腰を引き寄せる。
 熱いものが濡れて乱れた場所に入り込み……強引に裂かれた膜がブツッと断末魔の叫びを上げた。
 声にならない悲鳴が、礼拝堂の空気を揺らす。
 「ははっ………力が無ければ所詮、ただの小娘だな」
 「いっ あ……っ」
 激痛に慣れない内に、穿ったそれを更に奥へとゆっくり押し進める。
 根元まで呑み尽くしたのを確認し……乱暴に引き抜いた。
 赤色混じりの蜜がとぷりと掻き出され、絨毯にぱたぱたと落ちて染みを作る。
 一呼吸置き、今度は勢い任せで一気に貫く。
 「ひぃッ! あぐっ うっあ……あ……っ」
 先端際まで引き抜いて貫いて、もう一度引き抜いて深く抉って。
 少しずつ間隔を狭めて繰り返せば、ロザリアの悲鳴が色を帯び始める。
 「あ あ……っ! い、やあっ あ やめッ」
 ロザリアの顎を左手で掴んで上半身を抱え起こし、右手の指先で繁みに隠れて堅くなっていた小さな突起を捏ねると、汗でしっとりした胸先が反って跳ねた。
 首筋に薄い唇が這う。体内を容赦無く掻き回すものが質量を増す。ロザリアの本能は焦燥を訴えるが、体は己の意志を拾ってくれないまま揺すられ続け……
 「い や ッッ いやだぁあああ……ッ!」
 小刻みな律動の後、熱を持った何かが胎内で弾けてじわりと拡がった。
 操り糸を切られた人形は、カチカチと歯を鳴らしながら絨毯の上に転がり落ちる。
 離れた拍子に、繋がっていた場所から つぅ……と白いものが零れた。
 「……ウェー、リ……」
 見開いた瞳は光を失って涙が溢れるばかり。
 だというのに、まだその名前を口にするのかと神父は苛立った。
 ロザリアを仰向けにして腹部に座り、細い首を両手できつく絞め上げる。
 「これで……俺は自由だ……っ!」
 苦痛でロザリアの顔が歪む。空気を求めて唇を開いて……
 「……く、ろす……ツェ る」
 「……!?」
 動かない筈のロザリアの右手が動いた。
 首を絞める手を掴もうとするでもなく、神父の心臓がある辺りに指を開いて……「(かざ)している」。
 「………………ッ!!」
 その意味に気付いた神父はロザリアから飛び退き、苦しげな表情で頭を抱えた。
 咳き込むロザリアの姿に涙を流したのは、紛れもなくクロスツェルの意思だった。
 「……うるさい……うるさいうるさいうるさい!! 黙れクロスツェル! お前との契約は果たした! 殺させろ! アイツは……俺は!!」
 ぱたりと手を落としたロザリアの姿に、涙が止まらない。寒気が走る。胸が痛い。
 ロザリアの名前を叫ぶクロスツェルの声が、ベゼドラの意識を侵食する。

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