九校戦編〈下〉
九校戦九日目(2)×デスサイズで刈られそうになった工作員と一科生・二科生の違いについて
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地の差だって、総合的な魔法技能なら私の方が上だと見る者も多いけど一真君との撃ち合いをするならば距離とか関係なく全敗するわ。CAD関係の技術も敵わないし、魔法に関しての知識の量もまるでデータバンクに直結しているのでは?と疑問に持つくらいよ」
軽く言葉を切ってから、真由美の母親が旧姓四葉を持つのであれば秘密主義の母親を持つ真由美でも言葉を探すようにして話していた。上級生の面目丸潰れのようにして、真由美は他人事のように付け加えた。
「誰にだって得意・不得意があるんだから、全部が全部相手より勝っている事なんて滅多に無い事なんでしょうけど。でも一真君のレベルは総合的に上、というのは織斑家に嫁いだ深夜様も知っている事だし。魔法実技も魔法工学面も知識も全てが上、そういう悲観的な事を考えるのが普通らしいけど。実技も試験も上なのに何故一真君は一科生じゃなくて二科生にしたかについては、この前も言ったけどね」
魔法実技の試験内容はちゃんとした意味のあるものだし、試験成績だけが人間の価値観ではないと言う事を前提に言っていた。自分より上だと思いこむと、全部勝ってないと耐えられなくなる事だが実際は一科生と二科生の違いというのは、実技授業の都合上と実技テストの成績で区切られている事を言う。
あずさは知らず知らず目を大きくして見開いていた。真由美の言葉に含まれる意外な事実に、頭の中が真っ白になってしまいそうなショックと一科生と二科生の区分けが本当の実技授業の為であると言うのは初耳だった。
『今の所は、全てが初耳に聞こえるけど俺らは全てを知っている事だ。制服が単に生徒数を増やす際に、刺繍の直しが間に合わなかった事をな』
『この事は余り知らされていませんもんね。裏話にもなりますが、知っている人間は一部でしかありませんが昔は一高も一学年百人だと言う事を』
『これについては、随分昔に語ったかもしれませんが当時の政府が焦って新年度から増員すればよかったのを、年度途中から追加募集を掛けたので教師の数も増やす事も出来ない。当時の魔法教育者の人材不足で、今以上に深刻な問題だったのを苦肉の策となった。途中編入の一年生は進級まで集中的に理論を教えて、実技は二年になってからだったという二科生制度』
『いざ二科生を入学させたら、学校の発注ミスでエンブレムが無い制服になってしまった。それが大きな勘違いを生んでしまい、二科生制度はあくまで進級までの暫定措置となった。誤解が大きく膨らんで、補欠扱いとしたのが今の二科生制度。制服を二種類になってしまって、長い間放置してしまったのが今の結果となります』
という事で話が終わったのだが、それを全て聞いていた俺らはブルームとウィードが生まれた原因を失くそうとして、二科生に入った俺である。まあそういう事で長い会議は終わったが、あ
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