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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第28話:思い出のバカンス……そして思い出の喜劇
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ウルフが
MH
(
マジックフォン
)
を操作し、立体画像を投影させると……其処には誰も居ないリビングルームの風景だけが。
「あれ……陛下? 陛下ー!!」
『あれぇ? リュカ様ぁ……何か映ってますけどぉ……ど〜しますぅ?』
そこに映り込んできたのは、メイド服をセクシーに
着熟
(
きこな
)
したお母さんだった!
『あぁ? 今忙しいから放っておけ』
映像の外からはお父さんの声が聞こえてくるが、映り込む気配は感じられない。
「お、おいユルメイド……陛下は今何してらっしゃるんだ!?」
私の母親に“ユルメイド”とか言うな。
『えぇ〜っとぉ〜……リュカ様はぁ……』
本当に“ユルメイド”な感じで喋るお母さんは、手元の
MH
(
マジックフォン
)
の向きを動かし、
『モンスター君達にぃ……何か言ってるぅ?』
そして映し出されたのは、ゴレムス・サーラ・ラーミア(大鳥)に向かって何か指示を出してるお父さんの姿だった。
「ちょ……陛下! 何してるんですか?」
『何って……今からラーミアに乗って、ゴーレムとメッサーラをその船に送り込むんだよ』
「いやいやいや! は、話し合いで解決しましょうよ! 彼等、本当にもう紳士なんですよ!」
“ゴーレムとメッサーラ”と言う単語に、犯人グループのみならず人質等からも恐怖の呻きが聞こえてきた。
『何言ってんの? そいつ等が話し合いを拒んだんだよ。予は金を払うって言ったのに、それを拒否して人質を傷付けるって』
「それは何も解ってない馬鹿が言った事です!」
『その馬鹿がそこに居るじゃん』
「いいえ居ません。もう殺しましたから! そんな馬鹿は殺しましたから!! な、リーダー!」
ジト目で見詰めるお父さんに慌てた口調で言い訳するウルフは、隣の犯人(ずっと同一人物)と肩を組み、仕切り直しを要求する。
『同じ人物に見えるが?』
「みんな同じ覆面ですから! 没個性ですから、みんな同じに見えますから!」
実際に犯人等全員、同じ覆面に同じ衣装……ハッキリ言って見分けは付かない。
『ふ〜ん……まぁそういう事にしておいてやるよ。 ……で、13
G
(
ゴールド
)
で折り合いは付いたのかな?』
「付いてませんよ……彼等はもっと高額の身代金を要求してるんです」
『高額ぅ〜? でも予のポケットマネーでは13
G
(
ゴールド
)
しか払えないよ』
「いやいやいや。陛下のポケットマネーからではなく、城には非常事態用の資金がストックされてるでしょ……」
へ〜……そんなお金があるんだ。
『アレはダメだよ。税金だもん……国民から徴収した税金だから、国政にしか使えないよ』
「ですから……彼等の要求は、その税金の還付にあるんです! 陛下の統治する領土に住む罪無き民を救う為に、税金として徴収した資金を身代金として支
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