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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
20.また出会う日まで
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だとリングアベルは思った。
 ……人それを悪趣味とも言う。

「で………ヘスティアよ!リングアベル少年に、ミネットの事で話したいことがあるのだ。一度席を外してもらえんか?」
「ボク達がいると都合が悪いのかい?ガネーシャの事だから悪巧みしてると勘ぐってる訳じゃないけど……」
「ミネットと直接関わった彼にこそ聞かせるべき事と思ってな。時間は取らせんさ……ヘスティアとベル少年は奥の客室でフルーツでも摘まんで待つと良い。必要なら食事も馳走するぞ!肉、魚、野菜!果てはじゃが丸くんなんて変化球にも対応しよう。何故ならそう、俺がガネーシャだから!!」

 瞬間、ぐうと鳴るベルのお腹と、ぐぎゅうううう!と鳴るヘスティアのお腹。目が覚めるまでリングアベルに付きっきりだった二人は……特にこの前の『神の宴』でガネーシャ・ファミリアが振る舞った美味な料理を思い出したヘスティアの変化は劇的だった。

「む、むむむ。リングアベル!ボクは同じ神の好意を無碍にする訳にはいかないんだ……許しておくれ!」
「神様、涎が漏れてます!……先輩、神様がこんななので先にご飯食べさせてもらいます……先輩も後から来れますよね、ガネーシャ様?」
「勿論だとも。ゆっくり味を楽しみながら待つといい!俺のファミリアは食事が美味いのも自慢の一つなのでな!」

 思いっきりガネーシャに踊らされているのだが、それでも三大欲求に勝てなかった二人は素直に部屋を出た。ヘスティアなんかスキップしている。
 食い物に吊られていいのか神様よ。貧のちょっぴり切ない気分になったリングアベルだったが、直ぐに気持ちを切り替える。

「――さて、それでは俺の話にしばし付き合ってもらおう、リングアベル少年」
「ええ、俺も貴方から話を聞きたかった。詳しく教えてもらえますか、神ガネーシャ」

 リングアベルは望み、臨む。余りに謎が多かった今回の事件の真相へと。
 
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