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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十九話 襲来
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では?」
「宇宙港に行きます」
出口に向かうと控室から護衛官達が現れ俺の周囲を囲んだ。長身、引き締まった身体、鋭い眼光、羨ましいよ。俺に半分でいいからくれないかな。新無憂宮を出て地上車に乗り込むと宇宙港を目指した。

宇宙港では大勢の軍人が列を作って待っていた。宇宙艦隊を指揮する男達だ。先頭はメルカッツ、そしてケスラー、クレメンツ……。ここに居ないのはシュトックハウゼンだけだ。彼はフレイア星域でガイエスブルク要塞と共に待っている。皆が俺の姿を認めると一斉に敬礼してきた。答礼して前を通り過ぎるとメルカッツ、ケスラー、クレメンツと順に後に付いて来た。艦隊は既にオーディンの大気圏外で待っている、宇宙港に居るのは各艦隊の旗艦だけだ。各自、自分の旗艦に向かう。

総旗艦ロキの艦橋ではワルトハイム、シューマッハ、リューネブルクの見慣れた顔が待っていた。他にも今回の遠征のために新たに配属された参謀達がいる。皆頬が上気していた、俺の姿を認めて敬礼をしてくる。それに応えてから指揮官席に座るとワルトハイムが傍に寄って来た。

「司令長官閣下、発進の準備は出来ております」
ワルトハイムの言葉に周囲が期待する様な視線を向けてくる。重いな、いや百五十年続いた戦争を終わらせるのだ、重いのは当たり前か。だがそれで終わりではない。これは新たな人類の歴史の始まりになる筈だ……。

「これより大気圏外で待つ艦隊と合流します」
「はっ」
「全艦発進せよ!」
命令を受けワルトハイム、シューマッハがオペレータ達に指示を出す。やがてロキがふわりと浮き上がるのが分かった。ロキだけじゃない、スクリーンにはネルトリンゲン、フォルセティ、シギュン、スキールニル等が次々と上昇する姿が映った。



帝国暦 490年 2月 10日   フレイア星域 帝国軍総旗艦ロキ  ナイトハルト・ミュラー



フレイア星域でシュトックハウゼン提督と合流するとエーリッヒは各艦隊司令官を総旗艦ロキに招集した。会議室で艦隊司令官と総司令部要員、シャフト技術大将がコーヒーを、エーリッヒはココアを飲みながら懇談だ。ガイエスブルク要塞をイゼルローン回廊に運ぶというのは聞いているが動かすのを見るのは初めてだ。事前に意識合わせをという事らしい。

「では要塞が先頭に立つと?」
「なんといっても重量が有りますからね。後ろに置いて暴走して艦隊に突っ込まれでもしたら大変な事になります。それにワープの時はかなりの時空震が発生しますから艦隊はある程度の距離を置いて後ろにいた方が良いでしょう」
「では要塞がワープを行い問題が無いと分かってから艦隊が続けてワープ、そういう事ですか」
「ええ」
ケンプ提督とエーリッヒの会話に皆が頷いた。

「しかしそのワープですが問題は無いのでしょうか?」
レン
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