友人 4−1
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ようとすると、体中から「関わってくんな」と拒絶のオーラが溢れ出す。......まあ、いいか。
「はい! 皆さん揃っていますか? 揃っていなくても始めます。では、28頁(ページ)を開いて!!」
28頁...。先週習ったばかりだな。項目は“地上と水中の薬草の見分け方と採取方と使用方”。
50頁に渡り薬草の種類が詳細に記されており、その生息地、採取方、使用方が簡潔に記されている。見分け方については、項目のすぐ下に「地上にあるか、水中にあるかである」とだけ...。
もっと他に言いようがあっただろうに。
そう言えば、38頁に気になる植物があったな。確か...苦味を消す効果のある薬草だった。ただ、生息地が遠かった事を覚えている。
「失礼」
「ーーであるから...ん? なんだね、Mr.オルフェウス。私の貴重な受講時間を無駄にす」
「ただの質問だ。38頁の薬草について、幾つか質問したい」
「......ふむ、何かね?」
俺の口調が気に食わないのか少々不貞腐れていたが、そんな生徒から質問された事に喜んでいるようにも見える。無駄にプライドの高い教師はあまり好かない。相手をするのは面倒だ。
「とある薬を処方中である事はご存知だと思うが、この苦味を消す効果のある薬草は効果的であると思えるか?」
「んん? “シムガニ藻草”かね。この薬草は確かに苦味を消す効果があるが、調合される薬草によっては強い酸味を出す。そもそも、ホグワーツには生息しておらんよ。因みにーー」
生息云々は分かっている。効果があるかどうかを聞いているのだ。答えは簡潔に済ませてもらいたい。
長話が始まる前に早々と切り上げ「先生、流石ですね」と心にも無い事を言葉にする。
その言葉を間に受けたらしく、教師は機嫌良く受講に戻った。
はあ...疲れた。
この教師には、お礼としてこの間のカエルのイボの珍しいサンプルを渡しておく事にする。
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