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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
少女、現る
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までくると、消化試合じゃないな。
仕返しタイムだ。
「あ、あれって、あれに決まってるじゃないっ!」
「いや、あれしか言ってないんだけど」
「あ、あ、あれは、あれよっ!」
「だーかーらー、その『あれ』って奴は何なんだよ」
「それを、わ、わ、私に言わせるつもりっ?!」
俺がからかって遊んでいるだけだとも気付かないほどにテンパっている少女は、あわわあわわ言いながら叫ぶ。
それを見ていると、なんだか楽しくて、すっごく心が晴れ渡っていくのがわかる。
昨夜に椿に言われたことも全然大したことと思えなくなってきた。
「言わなくても、頭の中で想像してたんだろ?お前こそ、俺よりよっぽど変態なんじゃないのか?」
「あ、あんたが言わせたんでしょっ!」
「俺は『お前は鎧を着込んでるだろ』と『帯が緩んでいるか?』ってしか言ってなかったよ。お前が勝手にその腐さったような妄想を広げたんだろ?」
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………………」
ついに膝が折れて、ぺたんと机の上で女の子座りになった少女は唸りながら肩を震わせはじめた。
顔は俯いていてどんな表情なのかわからないけど、ちょっとやりすぎたかな。
楽しすぎて、加減ができなかった。
「ごめん、ごめん。俺が悪かった。俺が言いすぎた」
少女の姿にいたたまれなくなった俺は、軽くだけど、謝った。
「………………私って……変態なの………………?」
すると、別人のような弱々しい声が返ってきた。
「うっ」
俺はその声に、心臓をバリスタの矢で貫かれたような錯覚に襲われた。
は、は、反則じゃないか!
いつもは気が強い感じで、高飛車な態度の奴が、時に見せる弱い姿が、こ、こんな破壊力を有するとは。
「……………………黙ってないで…………答えてよ………………」
「い、いやーーー、普通だと思うなっ。うんうん、お前の年齢なら、正常だよ。まさに健全な精神の現れだ」
すかさず、フォローした。
「そう……よね…………みんな…………このぐらいのこと……想像してるよね…………うんうん……当然よね。気にしていた私が馬鹿だったわっ」
次第にいつもの調子を取り戻していく少女を見ながら、よかったと思う気持ちと、お前、こんなフォローで納得していいのかと思う気持ちと、惜しいような気持ちが三つ巴でせめぎ合った。
「そう言えば、私はなんでここにいるんだっけ、って、いっつーっ」
少女が顔を歪ませ、頭を押さえた。
「おい、大丈夫か?ポーションいるか?」
「い、いらない」
「だめだろ!頭の怪我はどうってことないと思っても、打ち所悪くて死んだりするからな。ちょっと待ってろ」
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