九校戦編〈下〉
九校戦九日目(1)×事務連絡とミラージ・バット第一試合
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知らん顔したエリカの間には、賑やかな掛け合いが続いている内に第二ピリオドが始まりのチャイムが鳴る。第二が始まってからすぐに事件が起ころうとしていたのか、全ての蒼い翼とCBの者達が目をステージへ向けたのだった。
緑色の光球に向けて、小早川先輩ともう一人が同時に跳び上がった。優先権が与えられる一メートル圏内への到達は、相手が僅かに早かったので跳躍の勢いを停止する魔法を使った。彼女の身体が空中で静止していて、元の足場へ戻る魔法を編み上げようとしていたら別の選手がいた為に一番近い足場へ着地しようとしていた。そしてゆっくり空中を滑空する移動魔法を使おうとデバイスに指示を与えても反応無しだったのか、小早川先輩は真っ先に重力に引かれて落ちていく所を見た俺ら。
「キャアアアアアァァァァァァァァ!」
観客席からでも分かる彼女の顔は、驚愕・恐慌・恐怖のワンセットだった。彼女の身体を支えるはずの魔法が発動しないという事は、今まで支えてきた魔法からの裏切りによって落ちようとしていた時には小早川先輩の身体は静止状態となっていた事で、観客達や選手達も驚いて静止状態の先を見ると俺が手を向けながら目が光っていた。
エレメンツの一つであるエスパーによる念力は、魔法ではないのに浮いている状態を維持出来ているからだ。そして俺は風術で彼女の方へ向かうが、もし目の前で事故が起きた場合は試合ステージに入ってもいいとされているので風術で彼女の元に向かった。
「はぁはぁはぁ・・・・あ、あれ?」
「大丈夫ですか?小早川先輩」
「織斑君?」
「落ちる瞬間に、エレメンツの一つであるエスパーを発動させたのでもう大丈夫ですよ。それより、自分の魔法が使えなくなったという錯覚にはならないように。魔法が使えなくなったのではないとこの場で言っときます」
「ありがとう織斑君。それにその言葉は信じていいのよね?」
「はい。そろそろ降りましょうか、一応メディカルチェックを受けた方がいいので」
そう言ってから、彼女をお姫様抱っこのようにしてから地上に降りたのだった。そして待機していた蒼い翼の医療チームのストレッチャーに乗せてから、デバイスを一瞬手に取って見るとやはり異物が紛れ込んでいた。本来なら落ち方が悪ければ致命傷にもなるが、二重三重に安全を考慮させたスポーツ競技なので選手が魔法のコントロールを失って落下する事態は、当然対策が為されていた。
立ち合いの大会委員が減速魔法をするはずが、一高エンジニアの俺がエスパーを発動させてから風術で飛んで行ったので多少目立つ格好となってしまった。それにステージ周辺には蒼い翼が仕切っているので、大会委員のメンバーはここにはいない。既に半分以上が、蒼い翼によって交代させたからだ。一部だけは大会委員のになっているが、また問題が起き
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