九校戦編〈下〉
九校戦九日目(1)×事務連絡とミラージ・バット第一試合
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の仕事をするために解散となったけど、外見老人に見えても中身は俺らと同じだからか。いつ見ても老人が鍛錬をしていると倒れるのでは?と心配する程だが、相変わらずだなと思った。
昨日までは快晴だったのに今日は曇りで雨が降りそうな感じだったが、予報は曇りなので安心した。眩しい日差しの無い天気は、ミラージ・バットに向いている天気であり好条件だと選手である深雪は言う。
「ミラージ・バットにとっては試合日和だが、いつ仕掛けてくるかが問題だな」
「お兄様の予測はいつも当たりますから、仕掛けて来たとしてもいつでも対処可能です」
「ま、今回が一番任務っぽいからな」
俺の勘は百%当たるので、深雪や他の者でも警戒はしている。俺としては、深雪や目の前で起きた事は防ぐ事が俺のモットーだ。本来の主人公みたいに、深雪だけを守ればいいという考えを持たないので他の選手を犠牲する事なく、起きた事の事後処理をするのも俺の仕事だ。深雪の出番は第二試合だったが、休息時間がたっぷり取れる第一試合がよかったと思っても都合良く動く訳がない。
俺ら兄妹は第一試合を競技フィールド脇のスタッフ席で観戦する事となった。第一試合終了から第二試合開始まで四十五分のインターバルがあるけど、一々客席からフィールドへ移動するのが面倒なのでここにいた。他校の選手もフィールド脇に皆揃っていた。
「小早川先輩、随分と気合が入っている様子ですね」
湖面に突き出た円柱の上で、開始の合図を待っていた先輩選手を深雪がそう評した。俺や蒼太に沙紀らも同じような目で見ていたが、小早川先輩は気分屋だと渡辺先輩が言っていた事を思い出す。自分の手で総合優勝を決められるかもしれない、となれば気を抜く方が難しいと思ったが勝敗は相手だが、問題無さそうな感じでもある。
一応保険として、観客席にいる美月や幹比古に精霊関連の事に関してを依頼しといた。そして始まりのアラームが鳴る。第一ピリオドは順位が入れ替わる接戦となっているが、小早川先輩が僅かな差でトップに立っていた。一方観客席で見ていたエリカらは、ホッと力を抜いて隣に座る美月に話し掛けようとしていた。
「美月は最近になってよく眼鏡を外すようになったけど・・・・大丈夫なの?」
霊子放射光過敏症の魔法師が、オーラ・カット・コーティング・レンズと言う度の入っていない特殊な眼鏡を掛けている美月。活性化した霊子の影響でその場を覆う激しい感情に巻き込まれるのを防ぐ為なのだが、九校戦が始まる前に幹比古が喚起魔法の練習時に知った水晶眼を活用しようと始まってからよく眼鏡を外して訓練をしていた。
今の場合だと、大勢の観客が興奮をぶつけ合っている中で眼鏡を外しているのは、精神に大きな負荷が掛かるはずなのだが美月周辺に負荷が掛からないように一真が前々か
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