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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#22 タルタロスへ強制連行
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えません」

 イオンがそう言うと、変わってジェイドが繋げた。

「……そこで1つお願いがあります。ルーク、貴方の力、いえ その《地位》は今の我々にとって非常に好都合その権力(ちから)をお貸しいただけたい」

 確かに、ルークの助けがあれば、ありがたい。でも、頼み方がマズイと思うのも仕方が無いだろう。だから、アルは若干引いていた。

(凄く、高圧的だね。……敵国相手だし、捕虜にしてもいい状況だから、仕方ないといったら仕方ないんだけど……、ルークにそんな言い方したら……)

 アルの予想。それは全く外れる事は無かった。

「……おいおい、おっさん。その言い方はねーだろ! 大体人にモノを頼む時は頭下げんのが礼儀じゃねーの?」

 嬉しくない事に、全く外れなかった。ルークもルークだ。敵国のど真ん中で、そう強気で言えるのも凄い。

「ルークよしなさい! あなただって戦争が起こるのは嫌でしょう」

 ティアが宥めようとするが、ルークの不機嫌は止まらなかった。それどころか、協力なんかしない。と言いそうな雰囲気だ。

 それを一番感じていたのは、ルークの横にいるアルだった。

(このままじゃ……アクゼリュスが……皆が……)

 考えるのは、アクゼリュスの事、そこに暮らす皆の事だ。協力が得られなければ、救助なんてしてくれる訳がない。敵国であるマルクトの領土になっているから、キムラスカが助ける事なんて、有り得ないのだ。

「ルーク……」

 そう思ったからこそ、アルは、ルークに話しかけた。

「んだよ!」

 気分が悪い所に話しかけたから、ルークは機嫌が悪いままだ。でも、アルはやめなかった。

「その、オレからも、頼んじゃダメ……かな? このマルクトにはオレの命の恩人が…… 大切な人達が暮らしている町があるんだ。……そこは今大変な事態になってる。 事情があって、マルクトからは助けられないんだって。……皆をを助けるにはルーク。君の助けが必要なんだ……」

 アルは、顔を俯かせながら続け、最後には頭を下げた。ルークが言っていた事だ。『人にモノを頼む時は頭を下げるのが礼儀』と。


「皆を、助けてください。大切な人達を、守ってください……。お願い、します……」


 アルは、頭を下げたまま、そう言っていた。下げた頭を戻す様子も無い。

「……ッ!」

 ルークも、突然のアルの言葉に、行動に困惑しているようだ。アルの事は悪い気はしていなかったし、悪意も向けられていない。判らない事は、少なからず教えてくれたりもした。比べられてる気分だった事は、不快だったが、それ以上に 好感部分が多かったのだ。

「アル……」

 イオンは アルを見て 悲しそうな顔をした。今の自分じゃ、彼を、彼の
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