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黒き天使の異邦人
第1話 状況の整理というか現実逃避というか
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ある、この情報だけだと判断はできないが次に出てきた情報で再び驚かされることになる。


「今から11年前、それまで世界中で確認されて小競り合いを繰り広げていた霧の艦隊と呼ばれる正体不明の敵との最終決戦が行われる…… その結果は人類の敗北」


 明らかに違うと言えるのは2012年頃から第二次大戦中の軍艦の姿を模した幽霊船が確認されていた事だ。
 少なくとも俺の知る限りだとネット上にだろうが、信憑性の薄いオカルト関係の雑誌だろうがこういう話題はなかったはず、さらに言えば兵器の進歩についても違うみたいだしな、2012年にスーパーキャビテーション魚雷が開発されて、世界各国に配備されて、その魚雷の凄まじい性能に海軍は艦艇の性能を含めた刷新が急務となっていた事も違う。

 そして今から11年前の通称【大海戦】と呼ばれた戦い、文字通り人類側の全てを結集しての戦いは人類側の惨敗という言葉も温い状況で敗戦を迎えてしまう。
 そうして人類は全世界の制海権を失い、それぞれの国々が孤立しているという状況のようだ。


「どうして本艦に戦闘の記録映像が残っているのかは、気にしない方が良いのかもしれないな」


 記録で見れば本艦が現在いる場所付近で大海戦は発生したようだから、もしも何者かがいたとすれば大海戦を観測していた可能性があるのか。
 まあ、格納庫にあるアストラナガンが出撃した形跡が無かったから、ひたすらじっとして観測に徹していたのかもしれない。

 もしくは既に俺がここで眠っていて手を出せなかったというのが正しいのかもしれないけどな。


「まあ、霧と呼ばれる連中が勝てたのは人類側との間に全く比較にすらできないレベルの技術の開きがあっただけっぽいな……」


 人類と霧の大海戦の記録を確認した限りだと、突発的に海戦自体は始まったようだがすぐに統制が取れて連携をとり、陣形を組んで火力と防御を最大限に生かしつつ反撃に転じた人類側と、統制も連携はおろか唯只管に自身の超火力と装甲にものを言わせて人類側を力づく、それも戦闘とも言えないような稚拙な動きで捻じ伏せるだけの霧の艦隊は技術が同じ位置であれば間違いなく人類の勝利と言えるような内容の戦いだった。
 実際、もう少し火力があれば人類側が勝利とはいかずとも痛み分けで終わらせる事が出来たような、そんな展開が数か所だがあったんだからな。

 これが補正のないスパロボ時空なのかもしれない。


「人類の艦艇の姿と使われている兵器を見れば、俺がいた地球よりもより高度な技術なのは間違いないな」


 ここまで表示して貰って一度溜息をついた後、紙媒体でもないデジタル媒体、それも未来技術の固まりである空間にモニターが現れるという経験した事のない媒体で読んでいた所為か目が非常に疲れた
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