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黒き天使の異邦人
第1話 状況の整理というか現実逃避というか
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ラナガンがここに!?」


 機体の全身が黒く塗装され、更には禍々しさすら感じるフォルム、スーパーロボット大戦@という作品において元は主人公たちの仲間であったイングラム・プリスケンが搭乗し最終決戦までを戦い抜いた機体、アストラナガンがあったのだ。
 起きてからの混乱はここに極まってしまうのだが、逆に色んなことが起こり過ぎたことで冷静になるという、あまりにも希少というか経験したくもない精神状態を過ごすことになってしまった。


「とりあえず着替えよう…… それに腹が、腹が減った……」


 冷静になったと言ったが、あれは嘘だ。
 ただの現実逃避ともいう。


 そんな感じで俺は格納庫を後にすると、元いた部屋に歩いて行くのだった。






〜黒き天使の異邦人〜
〜第1話 状況の整理というか現実逃避というか〜






 元の部屋に用意されていた着替え、海軍の士官とかが来ているような制服に似た服に袖を通していた。
 どうも艦内各所で作業していた機械達は単純な命令ならば聞いてくれるらしく、俺が寝ていた部屋に案内する事と着替えを用意して欲しいといえば、部屋に連れて行ってくれて更には今着ている服を持ってきてくれたというわけだ。

 この服や艦の本来の持ち主には申し訳ないとは思うが、今の俺が置かれた状況を把握するために利用させて貰うしかないから心苦しくも着替えを終わらせていた。


「えっと……」


 その俺が着替えている間中ずっと、部屋の中には案内して着替えまで用意してくれた作業機械が待機していて、一言も喋らないし更には意図も読めないので俺は戸惑っていた。
 もしかしたら命令を待っているのか? と、考える。

 試しに一つ命令を送ってみるか。


「腹が減ったから、何か食べるものはないのか?」


 まあ切実な問題である空腹を満たすための命令というか、お願いという感じではあるが意図を汲み取ってくれたらしく、目みたいな所に信号と思われる光が幾つか浮かぶと部屋の扉が開いて、見た目は一緒だけど別な作業機械がアームの部分にプレートを持ってやって来た。
 部屋の中に備え付けられている少々というか、軍艦の中にあるにしては豪華といえるテーブルの上に静かに置かれてナイフやフォークなども一緒に置いていく。

 内容は少しだけ焼き目のついたトーストにポテトサラダ、恐らくは卵スープにスクランブルエッグといった内容だ。


「思ったより普通だ……」


 今までに見たのが機械しかいないから、出される食べ物は不安という感情があったんだが、まともな物が出て来た事で安心して口に入れる。
 入れるんだが、この時にも卵の出所とかジャガイモとかハムとかどうしたんだろうという疑問は、とり
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