第十話 無謀
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言ったんだケド」
金にガメツイと言われるアルゴだが、一応良心というものはある。
心優しい指摘に、しかしリュウヤはそれに笑みを返した。
「洗いざらい、全部吐いてもらおっかな☆」
「……キメェ」
「……言わなくてもいいじゃん」
シリアスのヘッタクレもなかった。
アルゴから現状で確認できた軍の情報を駆使し思考を回転させていたら、いつの間にか夜も遅くなっていた。
アルゴの話を聞いた後、リュウヤは自室に戻ったのだが、考え事に気を取られていたのかどうやってここに着いたのかは覚えていない。
だが、帰り道の途中でさえ思考に気を回していた甲斐もあって軍の情勢は大体把握出来た。
そして何をしだすのかも。
後はそれを防ぐために色々と手を回さなければならないのだが、まずはーーー
ドンドンッッ!!
リュウヤの思考を遮った過激なノックが部屋に響き渡る。
うるせえなぁ、と思いつつ用心のため慎重にドアを開けると、外にいた人物に思い切りドアを押し上げられた。
「な、なんーーーってアルゴじゃん。どったのこんな夜中に」
ゼェ、ゼェ、と息を切らして部屋に無理やり入ってきたアルゴは息が整う時間も惜しむように口を動かした。
「ヤ……ヤバイ!ヤバイ、ゾ、リュウ兵!」
「落ち着けって、深呼吸して冷静に、な?」
頭も回っていないのか危険だけを伝えてくるアルゴに困ったような顔をするリュウヤ。
しかし、その表情はアルゴの口から出た言葉で一変する。
「リ、リュウ兵の、言ってタ、クエスト……軍のヤツラが始めやがッタ!」
「おい、なんで情報がもれてる?秘匿しろって俺言ったよな?しかもそれ昨日の話だぞ!?」
「オラっちが情報をもらすなんてヘマ踏むわけないダロ!」
「じゃあ原因はっ」
「たぶんアイツら、リュウ兵が見つける前にもう知ってたんダ!」
「クソッタレっ!」
吐き捨てると同時にリュウヤは部屋から飛び出し、敏捷値補正を全開にして疾走する。
アルゴもその後に付いて来た。
「あいつら今どこだっ!?」
「もう始めてル!」
「くそっ、ヤバイ、ヤバイぞ!」
必死の形相で地を飛ぶように走る。
リュウヤがここまで必死になるのはひとえに人命がかかっているからに他ならない。
リュウヤがたまたま見つけたそのクエストは一見普通に見える。だが、その難易度はノーマルどころの話ではないのだ。
ふと、頭の中に嫌な光景が広がる。
倒れ伏す者。
状態異常により動けない者。
モンスターの攻撃を食らって体力を失う者。
そして、体力ゲージを真っ赤に染め、果てにはーーー
「クソがっっ!」
声を出し、頭
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