第十話 無謀
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報量が減っている可能性がある」
「……本当に、俺の感覚でしゃべっていいんだな?」
「もちろん」
ヒースクリフの即答にリュウヤは大きくため息を吐いた後、皆にも聞こえるような声で話し始めた。
「敵は天井すれすれくらいまである巨人型。頭が二つある、いわゆる双頭だな。つまり目が四つあるもんだからハイドアタックもしくはバックアタックは効きづらいんじゃねえかな。
あと背中に大槌を二本装備してた。同時に二つの大槌を使う可能性があるから攻撃範囲が広いってのが考えられる。
それに加えて十中八九特殊攻撃があるはずだ。異常回復アイテムは片っ端から用意してくのがいいんじゃねえの。
……とまあこれくらいだが、こんなの情報屋に全部言ったんだけど?」
切って話すことなく、一遍に話し終えたリュウヤは非難がましくヒースクリフを睨んだ。
それにヒースクリフは苦笑で返すとリュウヤは黙って視線を逸らした。
「今聞いたことを念頭に置き、偵察隊を送りたいのだがーーー」
「そんならワイのとこが行く。数はウチが一番や。手練れも多いし、十分やろ」
ヒースクリフが視線を巡らしているとキバオウが少し早口で名乗り出た。
偵察は被害が一番出やすい危険な行為であり、キバオウの言に誰も文句をつけるものはいなかった。
「ならそうしてもらおう。では今日のところは解散としよう」
ヒースクリフの宣言で集まっていた人たちはまばらに部屋を出て行った。
キリトもアスナもその流れに乗って出て行ったが、唯一リュウヤだけはその場から動かなかった。
黙って目を閉じているリュウヤを不審に思うヒースクリフだったが、結局何も言わずに部屋を出て行った。
そのドアが閉じたと同時にリュウヤは口を開いた。
「軍は何するつもりだ」
重々しい声は、部屋を反響し、虚空に消えることなく、どこからともなく現れた人影に届いた。
「サア?オラっちに聞かれても」
肩をすくめるのはアルゴ。
隠密スキルを使って先ほどの会議に参加していたのだ。
それがリュウヤにバレていたことは気にもせずーーーというか気にしても無駄ーーー返答した。
「情報屋だろ?なんとかしなさいな」
「無茶にもほどがアル」
何も知らないと告げるアルゴだが、リュウヤは満面の笑みを浮かべながらアルゴを見やった。
「ウソつくのは状況を選べよ。俺、今機嫌悪いんだ」
「おお、ソリャ怖いナ。ーーー二万コル」
トントンとリズミカルに机を指で叩きながら言うリュウヤに、本気を感じたアルゴはすぐさま交渉に入った。
「そんなにヤバいか」
「ソレ、五百コル」
「……あっそ」
言いながら、リュウヤはメニューを操作しアルゴに三万コルを送った。
「二万コルって
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