第十話 無謀
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ってきたどのボスよりも圧倒的な力を持つモンスター。
リュウヤは背中に冷たいものが走ったのを自覚した。
「帰ろう帰ろうそうしよう」
同時に即座に踵を返し迷宮区の出口を目指す。
このままアレを見ていたら嫌な予感や不安感でいっぱいになりそうで、自分が何をしでかすか分からなくて、逃げるように足早にその場を離れ迷宮区を後にした。
翌日、リュウヤは朝早くから二十五層主街区の一角に駆り出されていた。
前日、宿に帰る前にアルゴと連絡を取り、ボス部屋までのマップデータを拡散させ、とあるクエストに関しての要求を呑ませて別れて寝た。
しかしその夜、ヒースクリフからの一件のメールにて、具体的なものはなく、ただそこに来いとだけ伝えられ、その場所に来てみたのだ。
だがそこに集まる顔ぶれを見た途端、リュウヤは自分がどれほどお門違いかが十分理解できた。
《黒の剣士》キリト
《聖騎士》ヒースクリフ
《閃光》アスナ
リーダー格
《軍》キバオウ
《聖龍連合》リンド
その他にも攻略組に名を連ねるギルドの長が集まっていた。
(よーし、帰るか!)
即断即決、有言実行、さっさと帰って寝てしまおう。
ーーーなんてわけにも行かず、
「リュウヤさん?どこ行くの?」
完全笑顔の目に有無を言わさない色が宿っている。
誰もが認める美少女であるアスナに首根っこを掴まれたリュウヤはそんな機能はないのにダラダラと背中に汗が流れている感覚を覚えながら言い訳を始めた。
「どこって、もちろんわたくしが最も優先する案件を履行するための場所へですが?」
「その場所、まさかとは思いますが、宿屋とか言いませんよね?」
「まっさかあ、そんなこと言いませんよ〜。俺をなんだとお思いで?」
「それともなんですか、自宅とでも言うつもりですか?」
「おいおい、俺を見くびってもらっちゃ困るなぁ」
「じゃあどこへ?」
「寝床ーーースンマセン勘弁してくださいあんなところにいるなんていたたまれないんです帰らせてぇっ!?」
簡潔に答えた瞬間にリュウヤはアスナに引きずられて攻略会議の場に連行された。
アスナはリュウヤの必死の抗議に一切応えず、リュウヤに向けた笑顔を保ったままリュウヤを引きずっていった。
それを見ていた一般プレイヤーたちは奇怪なものを見るような目で彼らを遠目で見ていた。
無理やり連れてこられたリュウヤはアスナに座らされ、アスナもその隣に座り完全に逃げれなくなったところでようやく諦めた。
ほとんど日常茶飯事とも言えるアスナとリュウヤのやりとりに攻略組メンバーは誰も気にせず、唯一キリトだけが苦笑いしていた。
「さて、招集したメンバーは揃った。会議を始め
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ