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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
ダンジョン
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は必要になったときに大概ない。
 現在地は十三階層のとあるルーム。
 ルームとは、少し広くなっている空間のことで、どの階層にも、数の差はあれど、点在している。
 そのルーム――縦横一〇メートルぐらいかな――で、俺は七体の犬頭モンスター『ヘルハウンド』に包囲されていた。
 お節介な俺の担当のアドバイザーいわく、『ヘルハウンドの群れとは絶対に闘わないで!見付けたらすぐに逃げるんだよ!!ヘルハウンドの群れの一斉火炎放射で骨も残らなかった冒険者もいて『放火魔(バスカヴィル)』って呼ばれてるんだからね!!絶対逃げるんだよ!!』と言われて、群れる前に瞬殺していたが、不幸にも会敵した時点で、七体で群れていた。
 落とし穴があれば、まとめて蹴り落とすところだけど、こういうとき落とし穴がない。
 ずっと唸り声を上げていたヘルハウンドが火を噴きそうな感じになったので、仕方なく、

 「ふっ」

 一息で一頭に肉薄した。

 『!!』

 目を剥いて固まるヘルハウンドを純粋な斬撃で両断する。
 ソードスキルは強力だけど、発動後の隙が大きいので、相手が複数の場合は自粛している。
 SAOならパーティーメンバーでスイッチしていたが、この世界ではもうすることはないと思う。

 (…………仲間……か……って、危ない危ない)

 つい過去の思い出に(ふけ)って沈みそうになる心を現実に引き戻し、襲い掛かってきたヘルハウンドをバックステップでよけて、代わりに袈裟切りを見舞う。
 再び包囲されるのは面倒なので、俺の攻撃で包囲網が乱れているうちに一撃につき一体のペースで屠って、数分もしないうちに全滅させた。
 この戦闘での戦果は魔石×七、ヘルハウンドの牙×三、ヘルハウンドの火炎袋×一。
 …………火炎袋は初めてゲットしたけど、これをオブジェクト化したらぼてって、胃袋みたいなのが、出てくるんだろうな。
 SAOでこんな感じのグロいドロップアイテム――〇〇〇の眼球とか、〇〇〇の心臓――はちゃんとあって、ある程度慣れているが、できれば見たくない。
 それはさておき、

 「ふぅ〜」

 一瞬ひやっとするところはあったが、結局一撃も(もら)わず、HPゲージは満タン。
 何回か肩を回してルームの奥にある目的地に繋がる通路に向かった。


    ◆ ◆ ◆


 通路は数一〇歩歩いたところで途絶えていて、先程のルームより一回り小さい半球型の空間が広がっている。
 その奥、壁が剥がれて、ボコボコになっているところがある。
 俺はそこに先客がいなかったことに胸を撫で下ろしてからそこに向かう。
 その前で立ち止まってメニューウィンドウ呼出しコマンド――つまり、人差し指と中指を揃えて上から下に振る――をすると、小気味のいい鈴の音とと
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