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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
ダンジョン
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ば雑魚であるほど、赤が薄くなる仕様だった。
 ちなみにカラーカーソルは常時表示されているわけではなく、モンスターとかプレイヤーに視線を合わせていると――つまり、フォーカスしていると――浮かび上がるようになっていて、こっちの世界でも適応されているようだ。
 それはさておいて、閑話休題。
 前方にいるウォーシャドウは声帯がなく、俺の出方を見るように静かに佇んでいる。
 もしかしたら被我との差を理解していて、逃げる隙を探しているのかもしれないけど、逃がすつもりはない。
 俺は周りに他の冒険者の気配がないことを確認してから、刃を真っすぐに立てるように上段に構え、足を踏み出した。
 すると、体が薄青色の淡光に包み込まれて、背後から目に見えない力で押されるように常人では出しえない速度で突進した。
 一瞬後には無防備に棒立ちで佇むウォーシャドウを間合に捉え、剣を振り下ろす。
 薄青色の円弧を描いて剣先がウォーシャドウの正中線をなぞって、完全に突き抜ける。
 これがさっき言ったソードスキルだ。
 詳しく言うと、片手重直剣スキルにカテゴライズされている基本突進技《プロペラント》で、一番最初に習得する技の一つだ。
 ソードスキルを喰らったウォーシャドウは綺麗に縦に線が入り、左右に裂けて、HPゲージが消失すると同時に灰となった。
 それに続いて眼前に紫色のウィンドウが開いて獲得アイテムが表示される。
 そこにはしっかりと魔石の文字があって、隣には《ウォーシャドウの指刃》とあった。
 このモンスターを倒すと時たま出てくるレア度のそれほど高くないドロップアイテムだ。
 SAOではこのウィンドウに獲得経験値とコル――SAOでの通貨――も表示されていたが、この世界に転生したときにコンバージョンで削除されたみたいだ。
 まあ、モンスターが何で金を持ってるんだ、という話しだし、【経験値】は神の領分だ、ということなんだろう。
 少ししてメッセージウィンドウが閉じるのを見てから、足を踏み出した。


    ◆ ◆ ◆


 更に所変わって、十三階層。
 お節介な俺の担当のアドバイザーいわく、『見た目だけじゃなくて肌触り(?)が洞窟っぽくなるんだけど、最初の死線(ファーストライン)とも呼ばてるんだから気をつけてね!!暗いし、下の階層に繋がる落とし穴もあるんだから足元をお留守ちゃんにしたらダメだよ!!絶対だよ!!』らしいんだけど、俺にとっては、モンスターは少し強くなったかな、それと見た目も強く見えるようになったかな、というくらい。
 大方SAOの各階層にいるフロアボスがどれも(いか)つ過ぎた所為だからだろうけれど。
 それに、落とし穴に至っては、欝陶(うっとう)しいモンスターを蹴り落として有効利用させてもらっている。
 のだけど、必要なもの
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