88章 信也たち、又吉直樹の芥川賞で、盛りあがる
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、子どもたちを育ててきた、
学校教育のありかたが、今あらためて問われるような。あっはは」
そういって、わらうのは、25歳の信也だった。
「美樹ちゃんと真央ちゃんの訴えは、誰が聞いても正当なものですからね。
おれも、ずーっと、永田さんを、どうにかできないものかと思っていたんですよ。あっはは。
おれから、森川社長に話をしたのですけどね。まあ、うちのオヤジもね。
経営の哲学として、真心のない指導とかは、絶対に許せない人ですからね。
自然の調和や、みんなとの調和のないところに、会社の成長も繁栄もないって、考える人ですから。
そんなわけで、今回の永田さんの、海外事業部への異動は、当然だったんですよ。
はっきり言って、おれも、永田さんが、経営企画室にいることには、
不愉快な思いばかりしていたんです。ああいう人がいるだけで、
職場の雰囲気がダメになるんですよ。ね、しんちゃん」
「そのとおりだよね、純ちゃん。最近の世の中、人が傷つくこととかに無関心の人間が多すぎるよね。
ひとことで言ったら、想像力の欠如ってことなのかね。
それだけ、殺伐としているというか、心が荒廃するほどに、生きていくことが、
難しく、険しくなっている世の中なんでしょうかね。
自分以外の人のことなど考えている時間もないのかも知れないけどね。恐い話だけど。
暗くなっちゃうから、ちょっと、話題を変えましょうか!あっはは。
ピースの又吉直樹さんが、芥川賞になったじゃないですかぁ。
よかったですよね」
「しんちゃんも、又吉さん、好きみたいね。わたしも『火花』読んでみたいなって、思っているの!」
そういって、美樹は、信也と純に微笑んだ。
「又吉さんって、この下北沢が大好きで、よく来ることがあるらしいわ!
1度も出会ったことないんだけど。ぁははは」
そういって、真央は、天真爛漫な笑顔でわらった。
「又吉さんって、自分のやりたいことをやり続けていくのが、信条らしいけど、
お金も無くって、貧乏で大変な時もあったあそうですよね。
それでも、人を楽しませたいとか、笑わせたいとかの、気持ちを持ち続けるって、
すばらしいことですよね。ねえ、しんちゃん。おれたちが、音楽をやる気持ちと、
共通のものがあるよね」
「そうだよね、純ちゃん。この前、『情熱大陸』で、又吉さんが、
樹木希林さんと対談していたんだけどね。
希林さんが、『そりゃ、世間は、こうしろ、ああしろって言うかもしれないけど。
<評する者があれば、我のみ>で、それはあったでしょう?』と、又吉さんに聞いたら、
『それはありますよね。それが1番大事ですよね』と言って、うれしそうに、
希林さんを見て、うなずいて
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