第二十話
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を入れてランクアップに臨もうと思っていたからである。その願掛けに槍を発注した。薙刀を使い続けるのは構わないけど、深層のモンスターの中には槍の方がやり易いモンスターもいるから、そのための用意である。幸いナチュルの手がける武器は上層で使うと殺り過ぎも良い所、という具合の性能を誇るから深層を目指していく頃合いだ。
ランクアップの最低条件は基本アビリティの項目をE以上にすること。と言っても、これは己の器を深めるために必要な偉業を成し遂げるため必要な力がその程度なのであって、別に全項目E以上にしなければならないという規則はない。尤も、己の限界を突破するほど強いモンスターと相手取る時に頼れるのは腕とステイタスなので、必然的にE以上になっているとは思うが。
私のアビリティ評価は大よそF。駆け出しから一ヶ月ほどしか経っていない者とは思えない成長スピードである。もしかしたら史上最高速度の成長なのではないだろうか。あのヘラクレスですらここまで早くはなかった。まあ、Lv.1のくせに二十階層以降のモンスターをソロで狩ってるから、貰える経験値がバカみたいになってるからなんだけど。一種の裏技、言い換えれば卑怯な手口でもある。
話を戻すと、ランクアップするための条件は己の精神的限界を突破することで、その代表的な例が格上のモンスターを討伐するといった偉業を成すことだ。
しかしご存知の通り、下手したらLv.2相当の力の差を覆し続けている私はランクアップできていない。以前説明したとおり、これは前世で何回も限界突破してしまっているため、私自身、もしくは神の恩恵がそれを劇的な成長だと受け止めていないからだ。
ではどうすればランクアップできるだろうか。やはり迷宮の弧王をソロで狩ることぐらいだろう。矛盾しているようだけど、いくら格上のモンスターとはいえ、雑魚に変わりない。そのボスを倒してこそ真の成長が見込めるのではないか。もちろんこれは私に限った話で、他の人それぞれで変わってくる事情だ。中にはトラウマだった同格のモンスターを倒したことでランクアップできた人もいたくらいだ。
そんなわけで、私は下層の迷宮の弧王を倒す準備をしていたわけだ。これでランクアップできなかったら他の手を考えるまでだ。と言っても他に良い案があるのかねぇ……?
受け取った槍を眺めて思考していると、熱の篭った鋳炉の傍で鍛え続けていたせいで汗びっしょりのナチュルが声を掛けてきた。
「あ、そうそう。近いうちに【ロキ・ファミリア】の遠征のお供をすることになったから、しばらく武器の注文は受けれないわ」
「遠征ですか。ということは【ヘファイストス・ファミリア】と合同で?」
「そうよ。私たち鍛冶師は
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