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リリなのinボクらの太陽サーガ
脱出
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が使う魔法、それを根本から消し去る暗黒物質を操るあなたの存在に恐れを抱いた連中は、暗黒の力を使える存在全てを抹殺しようとしています」

「フッ……つまり俺はイモータルやアンデッドと同じ扱いをされた、という事か。人類の敵として排除すべき、倒すべき存在と……」

「そう……なります。こういう時、管理局はいつも情報統制を行い、自分達の立場が悪くなる事実を隠蔽しようとして対象を抹殺します。本局の常套句とも言えるんですよ、こうやって彼らにとって表沙汰にするわけにはいかない事を秘密裏に処分する体制は」

「そうか……SEEDの件から何となくそんな気はしていたが、管理局はやはりそういう組織だったか。ならエレンも俺を狙うのか? 俺を……殺すのか?」

「まさか! 私は徹頭徹尾、サバタの味方ですよ。閣下もラジエルの皆も、あなたを捕まえるような真似はしません! 私達は全員あなたの心を知っている……あなたの中にある深い慈愛を、人として尊敬できる志を! あなたが殺されるべき人間ではないと、皆がわかっているから……だから! そんな風に自ら殺される事を受け入れないで下さい!!」

「……………」

エレンの心情が込められた言葉に、俺は少なからず嬉しさを感じていた。彼女が伝えてきた想いが、俺に再び人間の心の強さを思い出させてくれた。この世界には醜い欲望も、陰険な策謀も、辛い絶望も世紀末世界に匹敵……いや、それ以上に蔓延っている。正直に言うと、俺自身この世界に希望はもう無いと、滅びの未来しかないと思いかけていた。

しかし……どうやら見捨てるには少し早過ぎたようだ。まだ……この世界はやり直せる。まだ……希望はある。まだ……未来は取り戻せる!

「そうだな……立て続けの出来事で少し道を見失っていた。俺に残された命はごくわずかだが、まだやるべき事は残っている。エレン、ファーヴニルとラタトスクは俺が倒す。またあの時のように力を貸してくれ」

「む、ちょっと言いたい事があるんだけど! 管理局がお兄さんを追い込んでおいて、結局またお兄さんに戦いを、辛い事を押し付けるの? それって流石に傲慢過ぎじゃない? これ以上お兄さんを戦わせる事は、はっきり言ってボクは納得できないよ!」

「レヴィさん、あなたの言いたい事もわかります。ええ……よくわかりますよ、私自身も同じ気持ちです。しかし私達がいくら止めようとしても戦うでしょう、サバタの本質は元々戦士なんですから。それにこれは世紀末世界から続いている因縁の戦いなので、どうしてもサバタ自身の手で決着をつける必要があります。だから私達に出来るのは、サバタが力尽きない様に支える事、サバタの心に力を与える事、そして……サバタが本気で戦えるように手伝う事。そのためにも私は私の出来る事をします。そしてレヴィさんにもレヴィさんにしか出
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