脱出
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ってしまったニダヴェリールの……アクーナの民としてのせめてもの償いなのだろうか……。それともやせ我慢と元気づけのために、あえて歌う事で気持ちを変えようとしているのか、それはわからない。しかしどちらにせよ、彼女のコンサートのオーディエンスで生き残った人間は俺達しかいない事に変わりはない。彼女と共に暮らしていた大切な仲間達は皆、あの大地と共に滅んでいったのだから……。
「あれ? なんかちょっとだけ崩壊が緩くなったような……ボクの気のせいかな?」
「数秒後に次元航行を開始する。さらばだニダヴェリール……俺達人間のせいでこんな事になってしまって、すまなかった」
その言葉を告げ終えると……ラプラスは次元航行を開始、次元空間へその艦体を乗り出した。
「みんな………さようなら」
その後……第66管理世界ニダヴェリールは崩壊、消滅した。そして……一つの巨大な卵が孵化を始めた……。
「ん? あれはラジエルじゃないか。という事はサルタナ辺りが事態に気付いたか……かつてのアースラより対応が早くてありがたい」
次元航行中、ラプラスは異常事態を察知して近くに来ていたラジエルと遭遇、一時的に接続した。マキナはエレン達を知っているからともかく、シャロンは管理局を信用できないからラプラスで待っててもらった。そのためマキナにはシャロンの傍にいるように頼み、俺はレヴィと共に顔見知りのラジエルクルーによって艦長室に通してもらい、そこにいたエレンとサルタナの二人と会談を設ける。ちなみにエクリプスウイルスに関する資料もこの時渡した。また凄い情報をラジエルは手に入れた訳だ。
「あの世界で何があった?」
「単刀直入に言う。ニダヴェリールに封印されていた絶対存在ファーヴニルが目覚め、あの世界は崩壊した。封印を破ったのはラタトスクだが、要因に管理局も絡んでいる……むしろ人間の欲望が暴走した事でこの事態は引き起こされた」
「なるほど……つまりこの事態はイモータルにそそのかされたとはいえ、管理局にも責任があるという事ですね。やれやれ……これだけでも頭の痛くなる話ですけど、こっちもサバタに伝えておかないといけない事がありますわ」
「その前にネロとユーノを治療してくれ。脱出時に二人が怪我をしてしまってな……応急処置は済ませているが、真っ当な治療を受けさせるべきだ」
「わかった、すぐスタッフを向かわせる。二人の身柄はこちらで預かろう」
「閣下に治療の件は任せておいて、私達は今の管理局で何が起きているのかについての話をしておきます。……サバタ、心して聞いて」
「なんだ?」
「本日、管理局が……あなたを指名手配しました。恐らくラタトスクがわざと流した情報に踊らされた本局上層部の仕業……管理局の戦力である魔導師
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