脱出
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れた機銃の破片を放り投げて光に当てると、触れた部分からまるでチーズのように切断されてしまった。
「まずい、レーザーだ! あれには絶対触れるな!!」
「今来てるのは横一本! 伏せて!!」
シャロンの声を耳にしながら、全員一斉に全身を床へ押し付け、頭のすぐ上をレーザーの光が通り過ぎるのを見届ける。だが……たった一回の回避で済むとは思えない。
「第二射、来るよ!」
「形状はどうなってる!?」
『上下に二本線! 上に飛ぶしかない!!』
マキナの指示通りに、俺達はレーザーを飛び越えるべく跳躍する。ネロを抱えているから割と大変だったが、レヴィの協力で何とか超えられた。同様にユーノを背負っているシャロンも一人ではほんの僅かに届かず、飛行魔法を使えるマキナの力を借りて何とかかわしていた。しかし危機はまだ終わらなかった。
「第三射、来るよ!」
「形状は!?」
『Xだ! しかも大きいから、何とか壁際で飛ぶしか――――』
ドゴォォォォンッッ!!
「ォォォォ……!!」
後ろから先程レヴィが相手をしていたアンデッドが、扉をぶち破って追い掛けて来てしまった。
「ちょっとぉ! 一応それなりにダメージは与えたはずなんだけど、なんでアイツ全部回復してんの!?」
「挟み撃ちにされた訳だが、今は何よりレーザーの回避を優先するべきだ。アレの相手は後にしろ」
「それぐらいわかってるって。じゃあ飛んで!」
気持ち的に壁際に寄りながら再び跳躍、しかしこの姿勢のままではレーザーに触れてしまう。しかしそこは飛行魔法を使える二人の出番、レヴィは俺に、マキナはシャロンに身体を押し付けて、レーザーに当たらないように壁に出来るだけ引っ付く。そして金属を瞬く間に溶かす熱線が迫り……、
ジュッ!
「あ、ボクの髪が!」
レヴィの髪……確かツインテールの先端部がレーザーに触れたせいで、彼女の綺麗な水色の髪がほんのちょっとだけ焼け落ちた。マキナの方もカールした部分の髪が微妙にレーザーに当たり、炭化して崩れていった。
そして俺達がやり過ごしたレーザーは、そのまま後ろにいたアンデッドに迫り……。
「見るなッ!!」
「グギャアアアア!!!」
俺達に飛び掛かって来たヤツは身体がX状に切断され、バラバラになって崩れていった。マキナ達は俺の指示に何とか間に合ったようでトラウマを更に増やさずに済み、俺はレヴィを強引に引き寄せて視界を覆い隠す事で対処した。ネロとユーノは幸運にもまだ意識が回復していないから、俺だけがその光景を見たはずだったが……、
[うわぁぁぁぁああああ!!? 戻ってきて早々おぞましい光景を見せ付けるでない!! う、もろに見たせいでき、気分が……うっぷ……]
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