脱出
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かは減るし、そのせいでいらいらしてきた。八つ当たりでオリの中のあいつらにシューターをぶつけてあそんだり、飯を奪ってやった。ナタリアがいつもとようすがチガうって言ってきた、おれ変わったことはしてナイ。なんであんなコト、キいてきたんだ?
新暦65年8月25日
きょうはからだがぜんぜんだるくない、すごくスッキリした気分。ちょっとヒフが緑色になったけど、むしろゲンキになってきテル。みんなミドリ色で同じだ。だけどなたりあだけチガう。おれ、チュウシャしてないからとおもた。こっち見てないあいだ、さしてあげた。これデ おなじ なる
新暦65年8月26日
はら へった めし おりのなか にくいっぱい いきたい たべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたいたべたい
新暦65年8月27日
モースきた くった うまか った
またたべたい
新暦65年8月28日
たべた うま
』
………日記はここで終わっているのだが、内容が内容なのでしばらく言葉が出なかった。こいつらは研究後の経過観察を担当していた連中らしいが、一応解析もしていたようだ。それでさっきの牢獄に転がっていた死体は、こいつらが観察していた被検体の成れの果てだろう。そして管理局の予防接種……恐らくこれはラタトスクがクリアカンの人間を一人残らずアンデッド化するために仕組んだ事に間違いない。あまりの用意周到ぶりに逆に感心してしまうが、とにかくラタトスクの策が至る所に伸びていたという事はよく伝わった。
ところで内容から察するに、この日記の所有者もアンデッド化したようだが、日記がここにあるなら所有者も近くにいる可能性が高い。そのため俺は精神的な警戒レベルを引き上げ、いつ敵が襲ってきても対処できるように心構える。
「あれ……使用済みの注射器が落ちてる。ラベルに『エクリプスウイルス試作E-5』と書かれてるけど、これって暗黒物質と関係があるの?」
「エクリプスか。名前からして可能性はあるが、真偽のほどは不明だ。それはそれとして、その注射器はナタリアに使われたものらしいな」
「多分ね。ナタリアって人はあの牢獄の子達と同じ薬を投与されたみたいだけど、それなら彼女も既に……」
『ま、同情する余地は無いけどね。その人もこの実験の片棒を担いでた訳だもの』
「実験関係者にはとことん辛口だね、マキナは。一応ボクも君の境遇は知ってるから気持ちはよくわかるけどさ」
「とりあえずその注射器を含めて、ある程度の資料を持って行こう。いずれ役に立つかもしれない」
という事で日記を含むファイル類を、持ってても移動速度に支障が無い程度に確保。そしてネロとユーノを担ぎ、移動を
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