脱出
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か?」
「ああ、アレクトロ社に潜入した時に付けたアレか。それならまだあるぞ」
「あの時と同様に無線周波数の140.85が私と繋がるようにしておきます。いつ重要な連絡を入れるかわからないので、出来るだけ常時装備しておいてください」
そうしてエレン達と今後の話を取り付け、俺達はラプラスへと戻る。出航前にエレンに一つ疑問に思った事を尋ねておく。
「ここまでしてくれて今更な質問なんだが……一応指名手配されている俺を行かせて、エレン達は大丈夫なのか? その……立場とか」
「わざわざ心配してくれてありがとうございます。ですが私達ラジエルもまたワケアリでして、本局に全ての情報を開示している訳では無いのです。それはSEEDの件でもお分かりでしょう? なので今ここにサバタが来ていた、という事実を報告しなければ何ら問題はありません」
「そうか……普通の管理局員としてはまずいだろうが、今回ばかりは仕方ない。それじゃあしばらく身を隠すが、エレンも気を付けろよ? もう大切な者を失いたくないからな、絶対に生き残ってくれ」
「ええ、約束します。必ず……生き残って見せます。それに……覚えてる? 生きてってミズキとも約束している事を……」
「ああ……忘れていない」
「だから……何があろうと、私は生きる。……たとえ地獄に墜ちようとも、この世が滅ぶまで、私は……生きて見せる」
そう宣言するエレンの瞳から、狂気的なまでの強い意志を感じた。ここまで言うなら彼女は大丈夫だろう。
「エレンさん、ボクは君の事をよく知らない。だけどお兄さんを大事に想ってるって気持ちはちゃんと伝わって来たよ。だから……管理局に所属していても、君だけは信用できそう」
「レヴィさん……ありがとう。サバタの事、よろしく頼みますわ」
「うん、任せて。王様もシュテるんもきっとボクと同じ気持ちだから、きっと大丈夫!」
レヴィと軽くハイタッチを交わしてエレンは穏やかに微笑んだ。この短時間に随分仲良くなったようだが、何か通じる物でもあったのか、それともエレンがレヴィを気に入ったのか、いずれにせよ悪いことではないな。
ラジエルからラプラスを発進させ、機体の方向を地球へのルートに乗せる。ラジエルにネロとユーノを任せた事で、今のラプラスは俺と運命共同体のレヴィの他にシャロンとマキナという、ニダヴェリールの唯一の生き残りが乗っている。“裏”の管理局員にとっては、何としても処分したくて仕方がない二人の少女……。俺がいなくなった後でも、せめて安心して寝られる場所を与えてやらなければならないな。
「……サバタさん。エレンさんって……」
「ああ、エレンは俺の旧友で信頼出来る人間だ。彼女がどうかしたか?」
「管理局の中にも、あんな人がいるんだ……」
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