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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
17.キャットシッター・ミネット
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ットの瞳に宿る明確な拒絶意志が全てを物語っている。これは、もう説得に応じるほど生易しい顔ではない。

「うるさいにゃ!もう………こうなったらミネットの最後の親友でお前を殺すにゃ!!――来るにゃ、ビスマルクゥゥ〜〜〜ッ!!!」

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』

 大気を揺るがす咆哮に、その場にいたミネット以外の全員が総毛立った。
 桁違いの威圧感と存在感を持った何かが、来る。公園にいた猫たちが、その気配に恐れをなして我先にと逃げていく。だが、本能的に感じ取れる力量差がリングアベルはの足を金縛りのように竦ませる。
 のしり、のしり、と音を立ててゆっくりと公園の奥から現れる巨大な影。
 全長3M(メドル)はあろうかという巨大な「獅子」の魔物。

「くっ………こいつ、図体はミノタウロスの方が少し大きいが威圧感と存在感が桁違いだ……!!」
「にゃっふっふっふ〜〜……流石のノーテンキもビスマルクの力くらいは感じ取れるようだにゃ?」

 余裕の表情を浮かべるミネットの言葉に、リングアベルも納得せざるを得なかった。

 ミノタウロスのような狂暴なだけの存在とは違う。
 その瞳は明らかに王者の風格と高い知性をたたえ、またたびの香りにも眉一つ動かさない。
 間違いなく、今までにリングアベルが出会った魔物の中で最強クラス。
 ミネットはその場で宙返りして、ビスマルクと呼ばれた猫にまたがって自慢げに斧を振り上げた。

「このビスマルクはミネットがオラリオで初めてテイムに成功した『元階層主』!!この強さには小細工など通用しないにゃ!!そして……バトルアリーナ、展開ッ!!」

 瞬間、ミネットの胸元が眩い光を放って周辺が青いドームのような空間に変化した。

「なっ……なんだこれは!?閉じ込められた、のか!?」
「おいユウ!よく分かんねえが俺達もそいつの言う『閉じ込められた』に含まれてるみたいだぜ!!」
「わ、わわわ……!!な、何が起きてるんだ!?」

 どうやら巻き添えを喰らったらしい二人の学生の視線も、リングアベルの警戒の矛先も、ミネットとビスマルクへ集中していく。混乱する三人を見下ろすミネットは、その幼さを感じさせない凛々しい声で開戦を宣言した。


「これでもう逃げられないにゃ――ガネーシャ・ファミリア所属のキャットシッターにして、『ねこ使い』のアスタリスク正当所持者、ミネット・ゴロネーゼッ!!お前達の命と引き換えに、ミネットは本物の居場所を守るのにゃ……ッ!!!」

 
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