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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#21 チーグルの森・決着
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」
だから、ジェイドに続き、詠唱を始めた。収縮される
音素
(
フォニム
)
は祠の中だと言うのに、この祠内部を光で染める。
「「いでよ!神の雷!!」」
この譜術は雷の譜術の中でも最上位。つまりは、かなり難解で高度な譜術、アルは難なく使用している。それを横目で確認していたジェイドは、軽く笑う。
(ふっ やはりこれも使えますか……)
あのアクゼリュスでの大規模譜術を見ているから、もう何を使っても驚かない。といった具合だった。
「ティアさん! ルーク! 直ぐにそこを離れるんだ!!」
アルは、そう叫び声を上げた。ティアはルークの服を掴み、引きずりながら離れる事が出来た。
ライガ・クイーンの周囲に誰もいない事を確認すると。
「よし!」
「ええ!」
アルとジェイドが頷き合う。
「これで終わりです」
「これで最後だ!」
天空より束ねられた二つの雷が一つになる。光で染められいく祠。
「「インディグネイション!!」」
特大の2本の雷が、合わさり更に大きく、強大となって ライガ・クイーンに降り注いだ。空気が膨張、音速を超えた動きを出した為、皆の耳にダメージを負ってしまいかねなかったが、大丈夫だ。
ライが・クイーンは。
「グ……グオ……オオ………」
雷に蹂躙され、身体を痙攣させながら その巨体はゆっくりと倒れ、ついに動かなくなった。
ライガ・クイーンとの死闘が決着した瞬間だった。
戦い終えた後、ルークはそのままその場に座り込んでいた。周囲に散らばるのは割れたライガの卵や、それを護っていたライガ・クイーン、そしてライガたちの骸。……いたたまれなくなってしまったのだ。自分達の都合で彼らを滅ぼしてしまった事に。
「なんか……後味悪ぃな……」
だから、ルークは思わずそう呟いていた。それを横で聞いていたティアは。
「……優しいのね、それとも甘いのかしら」
冷たくルークに、そう言い放っていた。
だけど、そんなティアだったけど、その表情は、とても切なそうで、そして寂しそうな、表情だった。ティアにも当然思う所はあったのだ。だけど、そこは軍人として生きてきたからこそ、抑える事が出来た。
でも、今のルークに そんなティアの心の機微が判る筈も無い。
「………冷血女!」
そう思う事しか出来なかったのだ。実際、その言葉以外浮かんでこなかったから。アルは、一部始終のやり取りを訊いていたから、ゆっくりと口を開く事が出来た。
「ルーク…… 仕方ないよ。だって、殺らなきゃ、こっちが殺られていたんだ。……でも、それでも割り切れないのは良く判る、よ。ライガ達も ただ……守っていただけなんだから。……家族、を」
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