第12話 銀の少女
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
と言ったがバサラは
「大丈夫さ。おれの歌を聴けば、争いなんて下らねえって思うようになるさ!」
と返す。
この人はどこまでも自分の歌に自信があるのだろう。
そして、歌で通じ合うことができると、本気で信じている。
だからだろうか?
この人なら、この人の歌なら本当にできてしまうのではないか?
そう思う自分がいる。
だが、呼び止められていたバサラがもう用は済んだと思ったのか、再び村を出ようとする。
「ま、待ってください!」
思わず口を着いて出てきてしまった。
「ん?」
バサラが足を止め、少女の方に顔を向ける。
「わ、私も連れてって下さい!」
「私も、私もその問題を起こしている化け物のことを解決するのに協力したいんです!」
「だから、私も連れてってください!」
と頭を下げる。
駄目かな、と思っていたが、バサラはそんな少女に近づき、
「あんた、熱いじゃねえか。」
と言った。
それを聞いた少女は顔をあげ、バサラを見た。
その顔はとても清々しい笑顔であった。
「いいぜ。ついて来たきゃついて来な。」
そう言って振り向き、また村を出ようとするバサラ。
「は、はい!」
そんなバサラに返事をし、ついて行こうとしたが、村人たちにバサラ共々止められる。
「ん?なんだよ、あんたら。」
そうバサラが言う。
そして村人たちは、
「兄ちゃん、あんたの歌を聴いて、おれら、感動したんよ。あんたなら、あの化け物だってなんとかしてくれるってな。だから、あんたに頼みたい。
どうか、あの化け物をなんとかしてくれ!
頼む。」
と頭を下げた。
それを見たバサラは
「へへ。おれはどんなやつだろうと、おれの歌を聴かせるだけだぜ。」
と言って笑う。
「だから、行ってくるぜ!!」
と言って村を出ようしたが、なぜか村人に止められる。
それを怪訝に思い、村人の方を見る。
「あの化け物は、どういうわけか夜にしか出てこねえ。だから今から行っても夜まで出てこねえ。だから、夜までゆっくり休んでから行ったほうがいい。」
村人がそう説明した。
「そうかい。なら、夜までここにいるぜ。」
そう言って村にいることにしたバサラ。
そこで少女がバサラに話しかける。
「あ、あの・・・」
「ん?」
そう言って少女に顔を向ける。
「あなたのお名前を教えて頂けないでしょうか?」
そう少女が尋ねる。
「熱気バサラ」
そう答える。
「熱気、バサラ・・・」
そう呟く少女。
「ああ、おれは真名は無えから好きに呼びな。」
と言うバサラ。
「そうですか、なら、バサラさん、とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、いいぜ。」
「ありがとうございます。私の名前はとう、とんとんです。よろしくお願いします。」
と微笑み、頭を下げるとんとん。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ