閑話2 私は夏侯惇元譲だ!
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。上が白い涼しそうなもので、下は薄い青色で、右の太ももに黄色い布を巻いていました。」
「ふうん、確かに変わった服装ね。どこの出身なのかしらね?ますます興味が湧いたわ。
ところで、今日の春蘭の歌を聴いていた時の様子、見てた?」
「ええ、何やら、聴き入っていた様子でした。しかも顔は今まで見たこともないほどに輝かせていました。」
「そうね、春蘭のあんな顔、見たことが無いわね。しかも、男に向けるなんてね。嫉妬しちゃうわ。」
そう言う曹操の顔は、言葉とは裏腹に、笑顔である。
「その割りには、お顔が嬉しそうですが。」
「ふふ、だって、春蘭のあんな可愛い顔見てしまったら、怒るなんてこと出来ないわよ。
閨でいじめたくはなるけどね。」
ふふ。と笑いながら言うその言葉は怒ってなどいないことが分かるものだ。
と、そこで春蘭が執務室に入ってくる。
「か、華燐様〜!、秋蘭〜!」
「どうしたの、春蘭、何かあったの?」
なにやら慌ただしく執務室に入ってきた春蘭に、華燐が尋ねる。
急いでやって来た様子から、なにか起こったのかと思い、そう尋ねた。
「い、いえ、何も起きておりません。ただ・・・」
「ただ?」
「そ、その、私の歌を聴いていただきたくて・・・」
と言いながら、体をもじもじさせていた。
その様子に華燐は、春蘭に欲情するが、それをこらえた。
「ふふ、あなた、昼間のあれに影響されたのね。本当にかわいいわね、春蘭は。
いいわよ。聴かせてちょうだい、あなたの歌を。」
主の言葉を聞き、顔に笑顔が灯る。
「は、はい!で、では聴いてください!私の歌を!
『私は夏侯惇元譲だ』聴いてください!」
「え、ええ。」
歌の名前を聞くだけで、若干嫌な予感がしたが、宣言した以上、逃げる訳にはいかない。
そう、華燐は己に叱咤する。
だが、
「♪私は夏侯惇〜元譲さ〜♪」
夏侯惇の歌を聴くまでは。
一言で言うと、夏侯惇の歌は、凄絶、それだけで表現できる。
なぜなら、聴かせていたのは、主君である曹操と、妹である夏侯淵だけであったが、夏侯惇の歌は城中に響いた。
それは、夏侯惇の声量が凄まじいことを表しているが、それだけではなかった。
なぜなら、この歌を聴いたほとんどの人間が、この夏侯惇の歌を聴き、頭痛を訴えるか気絶するという状態になっている。
夏侯惇の歌を真近で聴いていた曹操と夏侯淵もその例外でなく、むしろこの2人が1番の被害を被っている。
曹操は、元々頭痛を患っていたが、これより一週間は薬を飲んでも頭痛が収まらず、夢にまで見るほど夏侯惇の歌に苦しまされる。
妹の夏侯淵は、何度か気絶しかけるも、最後まで姉の歌を聴いたが、姉の歌が終わりを迎えたところで記憶が途切れている。
なお、夏侯惇には『これよりは、歌
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