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ソードアート・オンライン -Need For Bullet-
-Bullet4-黒い影
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 はっきりと感じた明確な殺意。虚空に向けられたUNICAの銃口は、ほんの少し震えていた。

「ミウラ。大丈夫だ。落ち着け。」
虚空へ銃を向け固まっていたボクの手を大きくて温かい手が包み込む。
「っ‥‥先輩‥‥先輩‥‥!」
「大丈夫。大丈夫だ。あんなのただのドッキリだ。気にする事はない。」
ボクを包み込んだ大きな手は、ボクの震えが収まるまで優しく背中を撫でていた。

「みんなすまん。今日は解散する。あの黒フードはよくわかんねぇが全員一応警戒しておけ。たらこのドッキリだったらC4をたらふくプレゼントしてやる事にする。いいか。」
「了解」

「まあ姉御もあんなあんなっちまったしなぁ‥‥」
「仕方ねぇよ。よくわかんぇがありゃビビるぜ。ほんとドッキリだったら焼きたらこにしてやろうぜ。」


「マスケティア。お前ももう今日は落ちろ。明日も学校だろ?」
「そうだけど‥‥ミウラ。大丈夫?」
 心配そうに背中を撫でながら顔をのぞき込んでくるティア。ダメだ。あんなので心配かけちゃダメだ。
「うん。大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけ。ほら、ボクちょっとビビリだから。」
 だから心配をかけないように笑顔でそう応える。
「……そう。ならいいけど‥‥」

「ごめん。ボクもう落ちるね。お風呂入ってさっぱりして寝ることにする!」
「ああ。それがいい。」
「うん。おやすみ。」
「おやすみ〜」
出来る限りの笑顔を保ちながらボクはログアウトボタンを押した。



「はぁ……ダメだなぁ‥‥なんであんなので……はぁ‥‥」
 ベットサイドのテーブルに置いているエアガンを引き寄せ、抱きしめる。ヒンヤリとした金属の冷たさがボクの心も落ち着かせてくれる。この金属の感触はボクに落ち着きをもたらしてくれる。
 まったく変なドッキリに引っかかったもんだ。死銃。奴はそう名乗った。その名前は一部の間で有名だ。奴が撃ったのはたらこさんで初めてじゃない。少し前にトップランカーのゼクシードという男も銃撃されている。まあそれは直接じゃないらしいがそれ以来ゼクシードはGGOに姿を見せていない。巷じゃ引退ドッキリだとか騒がれていて死銃はそのための道化だと言われている。しかし、本当に奴がゼクシードを殺したと考える人も少なくない。
 そう、今日出会った奴の目は道化の目じゃなかった。ガスマスクの奥に見えた目は確かに狂った狂人の目をしていた。奴は一体何者なんだろうか‥‥本当にドッキリだったのだろうか‥‥本当に人を殺せるのだとしたら……どうやって……


「ああだめだ。だめだ。こんなこと考えたってしかたないじゃん! 全くもうせっかく楽しかったのに台無しだよ! 覚えてろよ!次現れたら絶対にぶっ飛ばしてやる。 」
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