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レインボークラウン
第二百四十三話

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                  第二百四十三話  悪魔
 ふとだ、今日子先生は今田先生に家の中で紅茶を飲みながら言った。
「香織ちゃん最近平和よね」
「ええ、天本博士も静かだから」
「そうよね。けれどね」
「何かあったの?」
「最近街に悪魔が出るらしいのよ」
「悪魔って?」
「だから文字通りのね」
 悪魔がというのだ。
「それが出て来るらしいのよ」
「そうなの、悪魔が」
「何か天使と喧嘩しているらしいのよ」
「あら、天使もなの」
「そう、人間の世界に降りてきてね」
「それでわざわざ喧嘩してるの」
「そうみたい、それで私ね」
 今日子先生はお茶菓子のアーモンドクッキーを食べながら今田先生に話した。至って落ち着いた態度のままだ。
「その喧嘩を止めようかって思ってるの」
「いいことね、じゃあ私もね」
「香織ちゃんもなのね」
「そのことね」
 今田先生もというのだ。
「お手伝いしていい?」
「そうしてくれるのね」
「だって今日子ちゃんがするのなら」
 それならというのだ。
「私は何時でも一緒だったでしょ」
「子供の頃からね」
「それだったらね」
「今回も一緒にしてくれるのね」
「ええ、その喧嘩止めましょう」
 今田先生はこう今日子先生に言った。
「私達でね」
「それじゃあね」
「ええ、確かに悪魔と天使は仲が悪いけれど」
「あまり人の世界で喧嘩してもらったらね」
「あまりよくないわ」
「宗教はキリスト教以外にもあるから」
 日本では特にだ、キリスト教の他にも実に多くの宗教が存在している。そのそれぞれの宗教の神仏達に迷惑だというのだ。
「だからね」
「そう、それじゃあね」
 それならと話してだ、そしてだった。
 二人は笑顔でだ、あらためて言った。
「今回も二人でやっていきましょう」
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「今はお茶を楽しみましょう」
「お菓子もね」
「両方共ね」
 こう二人で話してだった、そして天使と悪魔の喧嘩を止めることを決めたのである。


第二百四十三話   完


                         2015・6・7
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