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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
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と思っている。
だけど、このこと全てを誰にも明かすつもりはない。
それは目の前のヘファイストス様も含む。
なぜなら神々の一部には欲に素直なやからがいるらしく、そんなことが知られれば探究心の鬼となった神達に一生追い掛けまわされると言われたのだ。
目の前の神、ヘファイストス様から。
俺は静かに暮らしたいだけだので、俺のステイタスはヘファイストス様ともう一人の人物しか知らないし、俺が転生者だと知っている人に至っては、誰もいない。
そして、同じ理由で俺は直接契約を避けている。
直接契約すると、いやがおうでもその冒険者にほぼ毎日会うことになり、俺の異常性がばれる可能性が著しく上がるのだ。
すなわちわざわざ神に追いかけ回される趣味はないので、直接契約を望んでくれている冒険者にはお引取願っているのだ。
それを目の前の神様はわかっているはずなのに、
「あなたには飽きさせられないわ」
とかおっしゃって完全に他人事みたいな感じでいるのだから、質が悪い。
「邪魔するぞ」
ため息をつきたくなるのを堪えていると、唐突に扉が開いて、一人の女性が入ってきた。
その女性は後ろでまとめている長く艶やかな黒髪といい具合に小麦色のすべやかな肌が目を引き、左見をヘファイストス様のものに似た眼帯が覆っていてわかりにくいが、顔立ちは目の前にいる神に劣らず整っている。
背丈は俺以上にあるのに、俺よりずっと細身だ。
こんな女性が人間とあのドワーフのハーフというのだから驚きだ。
「やはりここにいたか、主神よ」
その女性――名を椿・コルブランドと言う――はヘファイストス様の姿を認めると、顔をしかめて言った。
彼女は、【ヘファイストス・ファミリア】の団長、つまりこのファミリアの鍛冶師の代表であり、俺の秘密を知る人物だ。
ちなみに、Lvは5だ。
別にこのこととは関係ないが、この人と主神だけは逆らわないと心に堅く誓っている。
「仕事が全く片付いておらぬというのに」
「ちょっとした休憩よ。今帰るところだったのよ」
椿の小言を遮ってヘファイストス様は言うと、扉に向かって歩き出し、
「じゃあ、またくるわ」
と、言い残して出て行った。
…………当分来なくていいですよ。
その背中に心の中で呟く。
椿もその背中を追って扉を潜る寸前、すっとこちらに目を遣ったと、思えば前に目を向け直して、出て行った。
……言うに及ばないことだとはわかるけど、俺は椿に嫌われている……っぽい。
何故確信が持てないのかというと、まともに彼女と話したことがないからだ。
というか、目さえ全然合わせてくれないのだ。
とは言っても、嫌われるのは当然と言えば当然で、何の技術もなくただ鎚を振るっ
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