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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
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だ。
何故神という雲の上の存在、もしくは非実在と考えられていた存在が眼前にいらっしゃるのかというと、この世界がそうだから、としか答えられない。いや、逆にこっちが何故いらっしゃるのかお聞きしたいぐらいだ。
俺がこの世界に来て一番驚いたのが神の存在だったぐらいだ。
話によると、神々は天界におられたそうだけど、何も起きない天界にごうんざりなられたようで、一部が下界におくだりになった、そうだ。
なんだかあっけらかんとした話だけど、実際に目の前にいるし、他にも沢山の神様達がいるのだから、鵜呑みにするしかない。
まあ、それはさておき、下りてきた神はそれぞれ【ファミリア】なる派閥を作って下界で暮らしていて、俺はヘファイストス様が
統
(
す
)
べている【ヘファイストス・ファミリア】に属している。
何故神が派閥を作ったのかというと、自分を養ってもらうためだ。
言っておくけど、ギャグでも嘘でもない。
神は下界に下りてくるときに自らの神通力、ここで言う【
神の力
(
アルカナム
)
】、を封じているそうで、下界にいるすべての神は下界の住人と何等変わらないのだ。
それで、衣食住が必要になった神は【恩恵】を派閥の者――眷族と呼んだ方が正しいか――に与える代わりに養ってもらっているとかなんとか。
それは俺の目の前にいるヘファイストス様も例外ではない。
「で、今日は何の御用があってこのような薄汚れたところにいらしたのでしょうか?」
俺はふて腐れたように卑屈になってみた。
「用がなかったら来てはだめなのかしら?」
「滅相もございません。ただ、多忙なヘファイストス様が俺のような奴にお会いになるとすれば御用があってのことだと愚考したまでのことでございます」
「なら、その考えは間違っているわ――と言いたいところだけれど、残念、今日は用があってきたのよ」
ヘファイストス様は俺の冗談を真に受けず、言う。
「……また俺と直接契約を結びたい奴が出てきたのですか?」
「ええ、そうよ。これでもう五回目」
俺はヘファイストス様の返答にため息をつく。
直接契約は、おおざっぱに言うと、店を介することなく鍛冶師と契約してオーダーメイドを作らせることを言う。
ここで少し補足説明するために脱線すると、俺が属するこのファミリアは鍛冶師だけで構成されていて、鍛冶で利益をあげる鍛冶系と呼ばれる系統のファミリアだ。
他にもダンジョン探索や農耕で売り上げる探索系、農耕系のファミリアは存在しているけど、俺は鍛冶師になるために鍛冶系ファミリアの中で最も規模の大きい【ヘファイストス・ファミリア】に入団したのだ。
このファミリアだけでなく、他のファミリアもそれぞれに店を持っていて、鍛冶師の作品は沢山の武器のうちの一つとして店で売られるこ
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