第4話 : 刻星病・中編
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は上昇を続けます。
***
「あ、おにぎりの人なの!」
「……何故に君がここに居る?」
フェス会場に到着して、直ぐ様に向かったのは対戦相手の控え室……詰まる所765プロの控え室なのだが……
ノックに応えて扉を開けて俺達の前に出てきたのは星井美希だ。無論。今回の対戦相手は断じて星井美希ではない。
「ミキは765プロ所属だよ?居てもおかしくないよ?」
キョトンとした顔で答えてくるが、俺が言いたいのはそうじゃない……っと言うか名刺渡したろうが?何だよおにぎりの人って?
困惑してる間に控え室の奥から『こーら!』と声が響く。聞き覚えのある特徴的な声が。
「大人しくしてなさいって言っておいたでしょ!美希の存在はサプライズ扱いなんだから!」
「あ、律子……さん。そうだったの!うっかりしてたの!」
「律子……」
昔とは違う髪型だが、見間違う事はない。いつの日か再開する事があるとは思って居たが、まさかこんな場所でとは……彼女もすぐにこちらを認識したのか軽く目を見開く。
「……お久し振りですね。もしかして今回の対戦相手のプロ所属でしょうか?」
「えぇ、ご無沙汰してます。まさか多忙極める貴女が出向くとは……星井美希が居ること、先程のサプライズの言葉……こちらが聞かされてない趣があるようで……?」
言葉尻が重くなる。意識して重くしてある。
現場での情報隠匿など事故の元だ。聞かされてないこちらは怒っても良いだろう……もっとも765が他社を出し抜くとかは考えられないが……それでも警戒はしとくに限るし……善人が永遠に善人である事などない。善人とて必要に迫られれば悪人に堕ちる……ま、逆もあることだがな。
「ちょ、違います!やましい事はありませんよ!」
「そうなの!ミキがサプライズでフェスの最後に出るだけだよ?」
慌てる律子に反比例してのらりくらりと言葉を口にする星井美希。
「だーかーら!ミキ!それはサプライズだって言ってるでしょうが!?!」
「えー出演者には知られても良い思うよ?そもそもその人に嘘ついて意味ないと思うなー」
ごもっとも。一度会っただけで俺を良く理解してるな星井美希……
ただ、まぁ……律子も俺と言う存在をそれなりに知っているならば、わざわざ不信を残して俺を敵に回す事も無いだろう。
船橋 縁を敵に回したらどんな事になるのか……それは良く知っているのだから。
「まぁ……こちらに害が無いならば聞かなかった事にしときますよ……一先ず挨拶に伺いました。本日の対戦相手を勤めます藤原 肇です」
このまま嫌な流れを作るよりは流れを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ