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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth22オリヴィエ・ゼーゲブレヒト〜Heilige PrinzessiN〜
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まれた隙は確か。

(この一撃で討たなければ、面倒な事になりそうですね)

――意気軒昂――

私は今まで何故かテウタ女王に見られているような錯覚を得てしまっていた所為で、手を拱いていました。もしそれが錯覚ではなく事実であれば、あまり手の内を晒したくないと思っていたから。ですが、もうそうも言っていられません。これ以上イリュリアに留まると、テウタ女王が砲撃で私たちを討とうと考えるかもしれないですから。
聖王のゆりかごの起動を恐れているであろう今、最悪その手段を採る可能性も捨てきれません。自身に設けた魔力制限を一段階解放。リサを大剣で払い飛ばしたゼフォンは「潰れてしまいな!」真正面から迫る私へと大剣を振り降ろします。

「いいえ。潰れるのはあなたです!」

―― 一意専心 ――

防御に用いてた魔力をも攻撃魔力へと転換し右拳に付加、その一撃でゼフォンの大剣を砕き、そしてそのまま彼の腹部へ打ち入れる。右拳から伝わって来る破壊の感触。耳に届く破砕の音、ゼフォンの息を呑む音。視界に収まるのは機械部品を撒き散らすゼフォンの体。間髪入れずに魔力を今度は右足へ集中させ、倒れ込もうとしているゼフォンの胸部へ向け打ち落とします。

――砂塵岩龍旋(ヴィントホーゼ・ブレッヒェン)――

ですがゼフォンを覆い隠す様に発生した砂塵の竜巻に拒まれてしまいました。その竜巻は法陣結界すべてを砕き、私とリサを大きく吹き飛ばす。

「神器王に会うまで解放するなって言われてたけどさ、もういいよな、あんたらを殺すのが元々の目的だし」

ゼフォンの殺意に満ちた声と共に、彼の魔力量がグッと跳ね上がったのが肌で感じ取れました。今ので決めきれなかったのは痛いですね。傍に来たリサが「オリヴィエ様! お怪我は!?」と心配してくれて、私は「ご覧のとおり何ともないですよ」と笑みで応じる。

「あんたら、苦しまずに死ねるなんて思わないでくれよ!」

――地竜刃砕断(ボーデン・ドラッヘ)――

竜巻より飛び出してきたのは、まるで龍の背ビレのような岩石の波。私たちは左右に跳び退いて回避を行い――回避した場所を踏みしめた時、

――蟻地獄乃喰渦(アマイゼンレーヴェ)――

「っ!」「なっ・・!」

足元の地面がサラサラな砂と化し、私を引き摺り込んでいく。これは「アリジゴク!」岩石の波の向こう側からリサの声が。リサの言うとおり足元に広がるすり鉢状の渦は間違いなくアリジゴク。足を取られている今、攻撃を受けるのは非常に好ましくないですね。魔力を拳に集中、アリジゴクへ打ち落とし、派手に爆散させる。動きで逃れられないならば破壊するまでです。

――破岩砲弾(コメート・フェルス)――

砂塵が舞う中、岩塊が飛来。アリジゴクを吹き飛ばして脱出した直後でま
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