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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth22オリヴィエ・ゼーゲブレヒト〜Heilige PrinzessiN〜
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同じ。ゆりかごの王として使えなくなるまで生き永らえさせ、死んだら用済みとして消される。オリヴィエ様にそのような未来を歩ませたくない。できれば、今のままクラウス殿下とご一緒に・・・・。

「クラウス・・・」

「お願いです、オリヴィエ!」

まずい。この収まる気配のない混乱の中で、騎士団を引っ張るクラウス殿下すら暴走してしまうと、騎士団の立て直しが不可能になる。でもオリヴィエ様を御止めしたいのも事実。このまま放っておけばオリヴィエ様は行ってしまわれる。だけどこの収拾をつけておかないと、イリュリア騎士団に襲撃されでもしたら全滅は必至。何か良い手はないかと思案し始めたとき、

『ベルカに生きる全ての民よ、聴いてください。私は、イリュリアの女王にして、天地統治塔エテメンアンキを統べる天界王テウタ・フリーディッヒローゼンバッハ・フォン・レーベンヴェルトです』

「「「っ!」」」

エテメンアンキから発せられたイリュリア女王テウタの声。オリヴィエ様とクラウス殿下、そして混乱していた騎士団がその声に押し黙る。今から私たちが討とうとしていた国、そしてその女王からの声明だからだ。
でも声は殺しても感情は殺せていない騎士団。膨れ上がっている殺気がエテメンアンキに向けられるのが判る。こんな形で収拾がつくのはあまり好くないけど、この際は手段を選んでいられない。

『我が力、エテメンアンキの砲撃カレドヴルフを、イリュリアに弓引く者たちの国へ向け、神罰として下させて頂きました。シュトゥラ、バルトはウラル・リヴォニア・リトヴァ、ヴィンランド、シュヴァーベン、ヘルウェティア、ガレアの8ヵ国です』

どの国も浅からずイリュリアと因縁を持つ国の名前だ。その8ヵ国のどこかの街が丸ごと破壊されたって事になるんだ・・・。人的被害がどれだけになるのか、意識が遠くなりそう。けど問題はそれだけに留まらない。イリュリアに敵対していた国の街が破壊された。となれば・・・

『これより敵対しようと考える国家への牽制と言う意味も込めて、見せしめとして街8つを焼き払いました』

そう、この戦いでイリュリアへと進撃を成功させることが出来れば、様子見していた他国も参戦してくれる、という狙いも少なからずあった。だけど、こんな惨劇が起こせる兵器をイリュリアが持っていたと判れば、他国は私たちに味方せずに沈黙を保つ――最悪、イリュリアの傘下に下るかもしれない。そうなれば戦況は一気に悪くなる。クラウス殿下も解っているようで「まずいですね」って呻いた。

「・・・はい。力で脅して味方を増やす、最悪な手段です」

『このままカレドヴルフで敵対国を根絶やしにするのも可能です。ですが、私――イリュリアはあくまでベルカを統一するのが目的であり、破壊などではありません。ですからここで敵対する8
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