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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth22オリヴィエ・ゼーゲブレヒト〜Heilige PrinzessiN〜
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†††Sideリサ†††

「アレが、エテメンアンキ・・・!」

イリュリアの一個騎士団を楽々壊滅させたあと、突如として姿を現した真っ白な塔。天辺が霞んで見えない。一体どれだけの高さを誇っているんだろう? 私の隣にいらっしゃる我が主・アウストラシアの聖王女殿下オリヴィエ様は「ただの塔であれば何も苦労はありませんが・・・」と嘆息なさった。ほとんどの騎士がエテメンアンキを仰ぎ見ているところに、「空が光ったぞ!」って騒がしくなる。

「砲撃だ!」

クラウス殿下が叫ぶ。空から降ってきたのは、深紅に光り輝く魔力砲だった。確認できる数は8。そのうちの1つが私たちのずっと後方――シュトゥラはディトマルシェン領へと向かって落ち・・・・着弾してしまった。何十kmと離れているここからでも判ってしまうほどの大爆発が起き、空を黒煙と爆炎で染め上げた。
あまりの事態に呆け静まり返る私たちだったけど、頭が状況を理解すると同時に騒然となった。クラウス殿下が「皆、落ち着け!」と宥めようとするけど、「俺の故郷が!」「母さん! 父さん!」家族や故郷の惨事に叫ぶ者、酷い者は言葉にすらならない悲鳴を上げる。

「なんてことを・・・!」

「オリヴィエ様・・・」

オリヴィエ様はオーディンさんに治してもらった拳を力強く握りしめ、「許せない・・!」エテメンアンキをキッと睨み付けられた。そういう私も怒りで頭が沸騰しそう。アレはいくら戦争でも持ち出していい代物じゃない。“キルシュブリューテ”を握る拳をさらに強く締め付ける。

「・・・クラウス、どうしてもエテメンアンキを破壊しなければなりません。最悪の場合、私はゆりかごの王となります。その時は――」

「おやめください!」「やめてください!」

「――リサ、クラウス・・・」

オリヴィエ様は今、私とクラウス殿下が最も訪れてほしくないと願っている未来を仰った。クラウス殿下が「そのような事をせずとも必ずエテメンアンキを破壊します!」とオリヴィエ様の両肩に手を置いた。私も「そうですよオリヴィエ様! ゆりかごを使わずとも何とかなりますっ!」オリヴィエ様の右手を取る。

「ですが、あのようなモノに対抗できる力は、ゆりかごくらいしか・・・!」

「たとえそれでも貴女をゆりかごへは行かせません! 貴女とてご存知でしょう! ゆりかごの王とは、それ即ちゆりかごの玉座を護るためだけの操り人形です! そうなれば、2度と降りる事は叶わない! オリヴィエと言う人間の意志も失い、もう僕やリサとも・・・こうして話す事も!」

クラウス殿下の言うとおり、一度ゆりかごに搭乗して繋がれば、オリヴィエ様は部品へと成り下がってしまわれる。話す事も、動く事も、考える事も、人として生きる事が出来なくなってしまう。生きながらにして死んでいると
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