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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
Death-gun
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、どんな経験を積めばできる?」
「バケモノ、め」
おや、と不思議そうな目が向けられる。
「キミのご主人は、正真正銘の化物になっていた気がするけど」
「あの人は、別だ。あの人、は、トクベツなんだ」
「ほう……まぁその狂信ぶりは気に入っている。せいぜい、そっちはそっちで楽しんでね」
にっこり、と。
『 』はマスクの下で、それまでのくすくす笑いではなく、無邪気な笑顔を浮かべたようだった。
無垢で。
無邪気で。
無色透明な。
笑顔を。
それを見、《彼》は一拍を置いて口を開く。かすれた金属質の声が静かに流れた。
「それなんだが……俺の、決勝相手、は――――」
短い言葉だったが、それだけで相手はだいたいの意を察したようだった。
「んん?大丈夫大丈夫、別に怒ったりはしないよ。そもそも《そちら》に関しては、邪魔なだけだ。誰が倒しても文句を言ったりしない。約束しよう……神に誓って、ね」
瞬間。
《彼》は全身に得体のしれないモノがまとわりついたのを、他人事のように悟った。それは鎖のような無機物的な冷たさではなく、まるでヘビのような気持ちの悪い温度で全身をくまなく締め上げた。
ぞうっ、と。極度の緊張状態に陥ったことをアミュスフィアが馬鹿正直に感知し、嫌な汗が滝のように流れ落ちるのを感じる。
つい先刻まで、欠片でもぼんやりと分かっていたマスクの下の表情が、今はまったく伺えない。隠したのではなく、深い水の底に沈んだように見えなくなったのだ。
「ただ、教えた通りに
ヒ
(
・
)
ビ
(
・
)
は入れておいてほしいな」
「わかって、いる。万事、了解、だ。そっちも、こっちの、邪魔は、する、な」
呟くような言葉とともに、《彼》はボロボロのギリースーツの裾を翻した。
その背によろしい、という言葉が含み笑いとともに投げかけられたが、もうその幽霊のような足取りが止まることはなかった。薄靄がかったような白い闇の中に、あるのかないのか分からなくなりそうなその姿がゆっくりとフェードアウトしていく。
それの気配の最後の一欠片が消失すると同時、さざ波のような嗤いが堪え切れないという風に《そこかしこ》から沸き上がった。
――くすくす
―――くすくす
――――クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス
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