第1話 : 天女の導き・前編
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くないって言うか……」
「それで結局は声かけないと……?」
「はい……申し訳ない」
……っと口に出して見ても。街で見かけた人をアイドルにはしたくはない……
いや、例えアイドルに仕立て上げても、きっと成功しないと思う。
俺はスカウト前に相手を観察するけど、あの女の子見たいに好感を持てずに終わる。
人には理想を求めすぎると笑われるかもだが……アイドルと言う存在に、俺は妥協できはしない。
「はぁ……まぁ、いい傾向でもありますね……」
しばしの間を開けて、ちひろさんは難しい顔でそう言った。
あ、完全なる余談だが、あれから俺は千川さんをちひろさんと呼ぶようになったのだ。
「船橋さんはそれだけ真剣にスカウトをしてる……そう言う事ですよね?」
「はい……そのつもりです。人の人生を左右する以上、半端な誘いはしたくないし……」
何より……半端な人を誘えば、俺はいずれ切って捨てると思うから。
結局は三つ子の魂百までも……合理的な人間は、最後の最後で合理的だ。
「………………はぁ……仕方ないですね」
「申し訳ない、明日から頑張りますので」
「いえ……もうスカウトはやらなくて結構です」
ん?
んん???
「もしかして……クビとか?」
だったら笑えない……違うよね?ね?
「…………」
悲壮感漂うチッヒーの顔。
……マジ?
***
それは、俺が小学生の高学年になった頃の話だ。
子供一人では広い部屋に、一人で目覚めて、一人で朝食を食べて、一人で学校に向かう。
俺の父親は金持ちだ、豪華な豪邸と豊富な物資。
およそ一般家庭と比較したら上位の生活空間だろう。だが、その生活では両親の影は見えず、ほとんど自分一人で生活していた……
無論。お手伝いさんなどの使用人はいたが……
だが、子供ならがも彼らが俺を気味悪く思い、そして扱いに困っていたのは一目瞭然だった。その結果が深い溝になっていた事は言うまでもない。
先天性・集中力自己支配……
こんな異常な才能を生まれ持っち、なおかつコントロールが不完全な子供など、まぁ、気味が悪いの一言である。
更には俺が妾の子である事が、彼らの戸惑いを加速させていた……
幼少期の俺はただ一人。周りはカカシ同然。だがそれを不幸と思ったことはない。結局は生まれた時からそれは日常で、俺は俺の求められる事を成すだけだと思っていた。
そ
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