ようやくの決着
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らし、手は肩じゃなくて背中を抱きしめる。
その優しい仕草の1つ1つが、私をどきどきさせる。
「……君なら…この痛みさえも受け入れてくれるだろう……?」
そう耳元で囁いて牙を突き立てる。痛いけど、やっぱり嫌じゃない。
距離が近いせいで、いつもより飛白の変化がすぐにわかる。
抱きしめる手に力がこもり、熱を上げていく身体を近くに感じるだけで、
胸がいっぱいになる。
よほど血に飢えていたのか、いつもより長い吸血のせいで徐々に思考が霞んでいく。
それでも流れる血を舐め取られると、身体は反応して甘えた声が出てしまう。
「…ん……香澄……君の血で…僕は満たされ……ふ……だが…欲望が次々と溢れて……」
濡れた音と甘い囁きに霞んだ思考がかき乱されて、飛白だけで心がいっぱいになる。
「………君に支配され……、……君を支配したい……ん………」
「……か…す り……」
「……ちゅっ……僕が…吸血鬼 だから…ではない………僕は―――…………」
かくんと膝から力が抜けた。たぶん少し貧血を起こしたんだろう。
「…っ、香澄ちゃ!」
「……だ、いじょぶ………へい、き…」
とはいえ自分じゃ立ってられないから、飛白に縋りつく形になってしまう。
かなりみっともなくて、情けないな‥‥
そう思ってたらふわりと抱き上げられ、ソファに寝かされた。
「……すまない。…君の血に…夢中になりすぎた……」
膝枕されてるのがちょっと照れくさいけど、夢中になってくれたのが嬉しかった。
私の血を美味しく産んでくれた、天国のお母さん。感謝します‥‥
嬉しくってすりすりと擦り寄ると、なぜか慌てたように飛白があたふたする。
「っ、…香澄ちゃ、その…そういうことは……っ」
「?」
見上げると、焦る顔の飛白と目が合う。‥‥顔が赤いよ、飛白。どうしたの?
何の気なしにその赤い頬に手を伸ばす。
あ、すごく熱いね。ぺたぺたと頬を触ってると、やんわりと手を握られる。
「っ……僕も、男だから……今…そういうこと、されるのは……っ」
そう言われてようやく気がついた。
膝枕で擦り寄ってるんだから、その位置は腰になるわけで‥‥うわわわっ!
くらりとする頭を我慢して、慌てて膝の真ん中まで戻る。
「ぁう‥‥」
「大丈夫かい?」
急に動いたせいで、頭がくらくらして目が回る。
宥めるように優しく撫でてくれる手に、目をつむってため息を漏らす。
あたたかい飛白の手が気持ちいい‥‥
「……僕の…付けた…印……絹のような…髪……君をこのまま…僕、だけ…の………」
ぴたり と手が止まる。見上げると、顔そらす飛白。
そのまま頭から手を離しちゃった。‥‥気持ちよかったんだけどな。
「……君の血に…当てられて
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