煉獄からの遣い
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【我が身を喰らえ】!!!
デイドラの絶叫に込められた想いに応えるように、耳を聾する轟音とともにデイドラの足元から地表を突き破って、焔柱が衝き立った。
デイドラを呑み込んだ紅蓮の大円柱は暴力的な爆風を撒き散らし、零距離地点にいたキラーアント二体はあらがう術なく壁面に叩きつけられ、埋め込まれた。
他のキラーアントも爆風に煽られ、吹き飛ばされる。
怒りを表すように、獲物を求めるように猛りうねっていた焔柱はデイドラのいた場所を中心にして収束しはじめて、やがて人の形を象った劫火の塊と化した。
劫火の芯はどす黒く、目の部分が緑翠色にくり抜かれていた。
「ぐぁ………………」
その芯、デイドラは全身を焼かれているような激痛に呻いた。
体と僅かな隙間を作り、不透明な壁があるように燃え盛る劫火は肌に触れないだけでなく、焦がしてすらいない。
あるはずの膨大な熱量が微塵もなかった。
だが、体の通覚は絶えず身を焼かれている情報を伝える。
それに加え、眼前に広がっているのは焔の壁であるにも拘わらず、彼はその壁の向こうの景色が見えた。
確かに目の前にあるのは焔のみ。
しかし、何故か彼はその先が視えた。
(リズ…………)
にも拘わらず、彼はそれを何とも思わなかった。
意識は完全に視界の中央の少女に集中していた。
並の人ならば、指一本すら動かすことも叶わない激痛に全身を苛まれていたが、デイドラは足を踏み出した。
その動きは亀よりも鈍重なものだった。
だが、その姿が、まるでそこ知れぬ怨讐によって地獄から蘇った怨霊を彷彿とさせる。
足を離した跡に靴底の形に焔が残ったこともその印象に拍車をかけていた。
『『キッ、キシャァァァァァァァァァァァァァァァ』』
一番間近にいた二体のキラーアントが恐慌状態に陥り、爪を振り回しながらデイドラだった焔塊に襲い掛かった。
恐怖にかられるままにキラーアントは爪を焔塊に振り下ろす。
しかし、ただ空を切るように振り抜かれた爪は芯を捉えず、焔の表層を撫でるだけで、焔に包まれた。
『『キシャァァ――――』』
その焔にさらに狂乱しながらそれを本能に従って振り払おうと、爪を振り回すが、それに反して、焔は蝕むようにゆっくりと前脚を伝い、やがて胴体、腹部、四肢の順で包み込んだ。
焔に包まれたキラーアントはよろよろと動き回り、必死に腕で払おうとしているが、しばらくして何かが砕ける音とともに動きを止めたキラーアントは、次の瞬間、灰と化して、焔とともに掻き消えた。
残りのキラーアントはその光景に時間が止まったように固まった。
同士の壮絶な末路に、そしてそれ
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