その魔法は・・・誰の為?
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式を展開する。
「喰らえ、カス」
魔法は炎上スリップ中の車の上に魔法式を展開させ地面に埋め込ませた。
同時に炎は消え、車の残骸だけが残った。無月の気遣い、可能性に掛けたのだ。
もしかしたら、もしかしたら、車の運転手は生きているかも・・・絶望的な可能性に無月は掛けた。地面に車は埋め込んでいるが、人一人分が生きるスペースは計算済み。生存確率は多少、上がったよな?
「だ、誰の魔法だ?」
また一人が騒ぎを呼ぶ。
騒ぎに値しない程の騒ぎ、生徒同士で「さっきの魔法は誰が?」と言い、先程の魔法発動者を探す。
無月は狸寝入り、場が収まるまで目を閉じるのであった。
「僕は――――強く、ないから」
『魔法改変』
魔法の起動式・魔法式の組み換・魔法式の構築の源を組み替える魔法。
破壊力は皆無。
防御力は皆無。
現代の魔法に比べれば特化する点も、特質する点も見当たらない。
攻撃力は必要皆無。
突破力は必要皆無。
無残な魔法だ、無惨な魔法だ。
藤宮 介は、そんな魔法を憎んだ。
『魔法改変』は魔法を改変する魔法。
とある少年の記憶は魔法式と融合する事で、生命を保たれている。
藤宮 介は、そんな『とある』少年の記憶を三度消去した。繰り返された因縁を建前で、少年を殺したのだ。
使用方法で、どんな魔法も最高クラスに引き上げる魔法。
そんな魔法で、少年の記憶を改変した。
攻撃力は皆無。
防御力は皆無。
突破力は皆無。
破壊力は皆無。
藤宮 介は知っている。
『魔法改変』は最強の魔法だと、唯我独尊の魔法だと、そして友人殺しの魔法だと。
彼に、敗北は許されず―――彼に勝利は許されない。
相対する相応を許されぬ事を知って、少年は魔法の存在を肯定するのだ。自分の魔法の存在価値を自分の意義を運命に抗って抵抗を重ね。その罪を認め、その罪を浄化する。役目を終えれば少年に価値を与えた『零』は消え、別の『零』を生成するのが、彼の役目だった。
「魔法式―――改変」
対象の魔法式を改変。簡単に説明すると魔法の効果を書き換えた・・・要するにチート魔法だ。
本来の発動効果を上書き、書き換える事で、魔法自体の効果を変えるのだ。
例えば、爆発系統魔法の魔法式に組込まれた『酸素』『炎』『爆発に必要な要素』それらを改変する。
魔法に必要な要素を一つでも書換えれば魔法は現象を失う。魔法式に組込まれたアルファベット記号2万文字の一つを別の数字・アルファベットに変えるのだけで魔法は無力化されるのだ。
藤宮 介にとって魔法は『現象』に過ぎない。
己の好きな様に創り換える事のできるただのゲームだ。
「お疲れサンマ〜」
憎たらしい笑顔が特徴的な少年 無月 影は言った。
「
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