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ニネヴェ
1部分:第一章
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か」
「かなりの強さだな」
 賞賛の声さえ出ていた。
「この街、攻め落とすのは容易ではないぞ」
「しかもだ」
 ここでだ。彼等を焦られる案件があった。
「エジプトが来ているぞ」
「あの国がか」
「来ているのか」
「そうだ、来ている」
 アッシリアの数少ない同盟国である。かつては敵対していたがそのバビロニアやメディアは伸張するに従い手を結んだのだ。そのエジプトがというのだ。
「我等の背を脅かしてきている」
「ではこのまま攻めあぐねていてはか」
「後ろからやられ」
「アッシリアは生き残る」
 彼等にとってそれはまさに最悪の事態であった。
「奴等が生き残ればまた、だ」
「また殺され奪われる」
「地獄の日々がまた来るのだ」
「それだけは駄目だ」
「絶対にだ」
 アッシリアへの恐怖は彼等の中に染み渡っていた。今回の連合も攻勢もだ。その恐怖への裏返しだった。そうなれば余計にであった。
 彼等は自分達の安寧の為にアッシリアを滅ぼさなくてはならなかった。さもなければまた圧政と虐殺の日々だった。まさにそれだけはであった。
「あの街を早く陥落させるんだ」
「アッシリアを滅ぼせ」
「何があってもここで滅ぼすんだ」
「そうだ、ここでだ」
 しかしだった。守りは堅い。彼等は真剣に最悪の事態を想定していた。

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