暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルな世界に『パッチ』を突っ込んでみた
第十八話
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宙に舞った。支えを失った葵の肉体は、受けた衝撃そのままに吹き飛んでいく。

 その光景を、半ば夢でも見るかのように呆然と見ていたなのはの耳元で、一足先に正気に戻ったユーノが叫んだ。

「―――っなのは!なのはしっかりして!このままじゃ葵さんんが地面に叩きつけられる!!!」

「あっ・・・!」

 その言葉に我に帰ったなのはが、フラッシュ・ムーブを発動して落下予想地点に先回りする。距離がそう離れていなかった事もあって、ギリギリで葵が叩きつけられるのは防いだ。

「あ・・・あ・・・!」

 魔法を使って落下速度を軽減し、慎重に彼の体を抱え込んだなのは。だが、彼女の体に、手に、顔に、葵の血液や臓物がへばり付く。嵐の中でも嗅ぎ取ることが出来る血臭。伏見葵に、二度目・・・否、トラック事故を入れれば、三度目の死神の鎌が近づいていた。

「葵・・・君・・・。葵君・・・!葵君・・・!?」

 止めどなく流れる血が、否応なく葵の『死』を連想させる。腕と足は吹き飛び、腹は裂かれて臓物が飛び出ている。心臓や脳は奇跡的に無事だったが、重要な血管や臓器も多数破壊されており、このままでは一分もしないうちに死ぬのは確定していた。―――むしろ、今現在生きていることが奇跡である。最初の一撃で即死していてもおかしくなかったし、流した血の量から言っても、何故まだ生きているのかが分からない状態であった。

 全ては、彼の体を修復しようと、パッチが必死になってエネルギーを送り続けているからなのだが、それも長くは続かない。パッチにヒビが入り始めているのだ。ピシ、ピシ、と致命的な音を鳴らしながらも、懸命に葵を生かそうとする。だが、あと数十秒、もって一分。それが葵に残された時間であった。

「葵君葵君葵君葵君!!!?」

「なのは、揺らしちゃ駄目だ!」

 必死に治癒魔法をかけながらなのはを止めるユーノだが、いかんせん怪我の規模が違いすぎる。ユーノの腕では・・・否、治癒専門の術者が居ようとも手遅れだったろう。更に、なのはは恐慌状態に陥っており、ユーノの言葉など聞こえていない。

「なの・・・は・・・。」

「葵君!?」

「そこに・・・いるのか・・・。」

「葵・・・君・・・?」

 葵が意識を取り戻した。そうなのはは思った。もう大丈夫だ。あれだけ強い葵君なら、一旦意識を取り戻せばどうにでもなると思い込もうとした(・・・・・・・・)。だが、そんなことは有り得ない。今も、葵は朦朧とした意識で、伝えなきゃいけないことをうわ言のように呟くだけだ。大雨の中で、何故かなのはには葵の声がハッキリと聞き取れていた。

「あ・・・れは・・・ジュエル・・・シード、七、個。知能も・・・ある。・・・・・・自分、を、囮に、しやがった・・・!」

「ジュ
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