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ある提督の回顧録
2日目
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 懐より取り出したタブレット端末を見せて説明する。

「ああ!なるほど!」

「数が少ないから全員にはカメラが行き渡らなくてな。今は旗艦にだけつける形をとってる。
 ……映像、見たいか?」

「良いんですか!?ありがとうございます!」

 タブレットを起動し、昨日のデータを選択。
鎮守府を出発するところから映像は始まっていた。

「すごいですね、これ!……あ!私が写ってる!」

 そろそろイ級を捕捉するところだ。
発見から撃沈まで次々に場面が移り変わってゆく。
こうして考えると戦闘データとしての価値もあるだろうが、後年価値のある記録資料になりそうだ。

「ん?……まだ映像が続いてる……?」

 叢雲が帰投し、報告を済ませたら映像が終わるのかと思いきや終わっていない。
シークバーは未だ半分近くが残っていた。
 あれ?これは……。

叢雲(あいつ)、カメラ切るの忘れてたな?」

「て、提督!?これ以上見るのはまずいんじゃ……」

 部屋に着いた叢雲は装備をはずすとストレッチを始めた。
カメラは装備にくっついたままなので当然映像は記録されているわけで。
そして、装備を外した叢雲の姿は限りなく下着に近く、ひきしまったおなかがまぶしい。

「あー……これはマズイやつだな。これ以上はやめておこう」

「……私、旗艦になったらこのカメラを外すして電源切るのを絶対に忘れないようにします」

 是非そうしてくれ。そう答えようとしたとき。
背後に気配を感じた。嫌な予感がする。

「指令官?何をしているの?」

 振り返るとそこにいたのは叢雲であった。

「いや、ちょっと昨日の作戦の振り返りというかなんと言うか」

「あら、意外にまともなことしてたのね。……で?なんでタブレットを隠したのかしら?」

 マズイ、非常にマズイ。
ふと、夕張の方を見るとすでに姿がない。
あいつ、逃げたな!

「隠してないぞ?いや本当に……」

「見せて」

有無を言わさず叢雲は迫った。

「何があるのか見せなさい」

 そうして叢雲は私が持っていたタブレットを強引に奪った。

「あー……後悔するなよ?」

 そうして件の動画を見せる。
叢雲は最初の出撃から帰還するまでの映像は感心したように見ていたが……。

「……ちょっと?……なんで映像が終わってないのかしら?」

 だんだんと顔を赤くしてゆく叢雲。
自分の失敗に気づいたらしい。

「スイッチが切れてなかったのね……」

「ああ、どうもそうらしいな」

 ギロリ、とこちらをにらむ叢雲。

「見たのね?」
  
 問い詰めてくる叢雲。
今後のためにも正直に答えないといけないか。

「まあ
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