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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第二十三話 戦闘と異能の解放
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…………」
「……っ!」
全はキメラの口が動いたのを見た、そしてそのその口の動きから何を言いたいのかを読唇術で読み取り涙が出そうになった。
キメラは最後にこう言ったのだ。
「ありがとう」と。
何でありがとうなのかは全にはわからない。それでも信じたかった。最後の最後で彼は人間に戻れたのだと。
「っと、そうだ……」
全は男のいた場所に走って向かい、その場に落ちていた写真を手に取る。
そして、その写真を見た瞬間に、全の顔に緊張が走った。
「っ、これって……」
全はその写真を持ったまま、るい達のいる場所に向かう。
フェイトとアリシアは未だに俯いたままだった。
「全、さっきの奴は」
「大丈夫だ、もう。な……お前達、どうする?」
「「…………」」
答えない事は分かりきっていたので全は無視して話しかける。
「俺はあいつを追いかける。お前達はどうする……この研究所が、なぜ設立されたのか知りたくはないか?」
「?全、どういう事?」
「これだ」
全は写真をるいに見せる。
「……えっ?これって……アリシア?」
「……え?」
この時、初めてアリシアが反応し立ち上がる。
そしてフェイトもよろよろとしたままではあるが、立ち上がりアリシアと一緒に写真を見る。
そこにいたのは、妙齢の女性と男性。そしてそんな二人に挟まれる形で微笑む二人の女の子。
そこには女の子を含めて笑顔があった。
「この男の人……さっきの人?」
「暗くて分からなかったけど、多分な。そしてここは多分だけど……プロジェクトFの為に設立された場所だ。この女の人……お前達の母親だろう?」
「そう、だけど……」
「あの男はお前達の母親の知人だ。そんな人がどうしてこんな事をしているのか……知りたくはないか?」
全は選択を迫る。このまま帰り、真実を知らぬままでいるか、それとも追いかけて真実を知るかを。
「ちょっと、全……」
るいが止めようとするが
「……行く」
アリシアが小さくだがそう言った。
「アリシア?大丈夫なの、キツイ真実が待ってるかもしれないんだよ?」
「お母さんの知っている人が、何でこんな事をしてるのか、知りたいもん……」
「私も……」
「フェイトまで……」
「いいのか?お前にとっては残酷な現実を知る事になるかもしれないぞ?」
「知りたい、の……」
「……わかった。ついてこい」
そう言って全は歩き出す。フェイト達もそれについて行く。
「ああ、もう!私も行くわよ!」
そう叫んでるいも全達に追いつこうと走って向かった。
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