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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
閑話 第五話
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いうのが俄かに信じがたかった。あれほどの容姿を持っているのだから、天界では人気の的になっていたとばかり思っていた。

 そんなこともあるのか、と思ってヘファイストス様のご忠告を受け止めていると、今度は違う方面から声が掛けられた。

「よぉファイたん。元気しとったか?」
「ええ。ロキも元気そうね」
「せやろー? 今日はごっつ機嫌ええねん」

 不思議な訛りで話しかけてきたのは、ヘファイストス様より薄い朱の髪を持った、どこか中性的な雰囲気を持った神様だった。ただ、声の高さ的に女神様なんだろうと検討が付く。
 私が二柱の会話をただ眺めていると、ロキと呼ばれた神様が細目をちらりと送りつけてきた。

「で、この子がクレアたんか!」
「は、はい! クレア・パールスです!」
「へぇ、やっぱ可愛ええなぁ! セレーネには勿体無いわ!」

 撫で撫で。ナチュナルに私の肩とお尻を撫でてきた。それに気のせいかその手つきが凄くいやらしかった。
 それからじっくり私の体を舐めるように眺めたロキ様はうんと満足そうに頷いた。

「それにうちと共感できそうやしなー!」

 なぜかその共感だけはしたくないと思った私である。
 露骨に弾くのはアレだったのでひっそり体を離すと、ロキ様は「フられてもーた」と快活に笑いながら手をワシワシ動かしてる。

「ヘファイストス様、ロキ様。そういえば付き添いの人がいないようですが……」
「私のところは変わり者でね。たぶん一階でボーっとしてるんじゃないかしら」
「うちもや。揃いも揃って変人ばかりで心労絶えんわー」

 ま、変人やからうちらも楽しめるんやけどなー。と一言添えて私をニンマリと覗き見る。

「他人事のように聞いとるけど、クレアたんも相当な変人やから、うちら神様の間で結構人気者なんやで?」
「へ? 私がですか?」

 変人なんて生まれてこの方一度も言われたこと無いよ、私。凡人なら耳にたこが出来るくらい言われてきましたけどね!
 せやでー、と相槌を打ちながらロキ様は料理を選ぶセレーネ様に目線を送りながら言った。

「なにせ、あの()()()()に一生仕えるなんて、神様(うちら)じゃ考えられない奇行やからなぁ」
「狩猟の、神……? セレーネ様が……?」

 オラリオに降臨なさっている神様それぞれに神話と呼ばれる逸話がある。例えばヘファイストス様なら神匠と称えられるほどの鍛冶の腕の持ち主で鍛冶を司る神とされていたりする。ゼウス様は神様たちの王、ヘラ様は最高位の女神様とされている。
 なので、同じ神様であるセレーネ様も同じような神話を持っていると思うけれど、本人に聞いてもそういったものは持ってないと返されたのだ。
 だからそういうのもあるのかと思って今に至るけ
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