閑話 第五話
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に脚に吸い付く黒のズボン。止めに胸元へ視線を引き寄せるために掛けているような小さなネックレス。
私としてはセレーネ様こそ変な男神様に引っかからないか心配です。でも今までそういったことが皆無だったのを加味すると、そういった事情にはきちんとした対応をしているのだろう。セレーネ様に隙は無かった。
やんややんやと会話していれば、とうとう目的地が目の前に迫ってきた。
続々と集まる高級そうな箔馬車、正装している何人もの美男美女、夜空を貫かんばかりの超巨大な宮殿。周りを取り囲むあらゆるものが、開催主の権力と相違ない光景だ。
本日【ヘラ・ファミリア】が開催する《神の宴》は眷属一名を引き連れての、神と子を織り交ぜた異例なパーティらしい。
通常の《神の宴》では眷属の同伴は許されないけれど、今回の主催主が眷属の同伴を条件にしたそうだ。異例と言ったけれど、少なくない回数を取り仕切っているヘラ様は決まって同伴を条件にしてきたそうだから、他の神様も特に気にすることなく自慢の眷属を選りすぐりしてきている。
ただ、《神の宴》を本拠地で開催するのは本当に異例らしく、通常ならギルドから貸し出しされる専用の施設があるのに、今回だけヘラ様が本拠地を会場にしたそうなのだ。
それだと忍び込み放題で情報の秘匿もあったものじゃないと思ったけど、相手は世界最強と言っても過言ではない最大派閥【ヘラ・ファミリア】だ。変な粗相を仕出かした暁には何をされるか解ったものではない。迂闊に手を出せないと承知の上で主催地を決めたのだろうか。
それに、こんな立派な本拠地を構えていれば、自慢の一つもしたくなるものなのかなぁ……。
私の目の前に聳え立つ建物の玄関ホールは外観に負けず豪華絢爛で、金銀の光が太い柱や燭台に散らばっていて目が眩みそうだ。吹き抜けの造りはとても開放感がある。壁際に雪花石膏の彫刻が飾られており、神秘さを際立たせている。
ホールから身を仰け反らせてしまいそうな豪奢な大階段を上った先、建物の二階にパーティを行う大広間があった。
既に賑わっている大広間はもはや語る必要が無いほど豪勢だ。高い天井にシャンデリア型の魔石灯、沢山の長卓の上には上位階級の人間しか口に出来ないような料理がずらりと並んでおり、【ヘラ・ファミリア】のメンバーの方々が給使としてトレーを持って巡回している。
これが社交界の雰囲気か……。と気圧される私だが、やはりセレーネ様は飄々としており「ねねっクレア! あれ美味しそうだよ!」と言いながら早速料理を取りに行っている。あまりの不変っぷりに返事をするのも忘れました。
『おお、セレーネたんがいるぞ!?』
『マジかよ! 奮発して良い服買った甲斐があったぜ』
『じゃあ早
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