閑話 第五話
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夜になった。やはりオラリオ最強派閥が催す宴に欠席するなんてことは気まぐれな神様たちでも出来ないらしく、いつものメインストリートは慌しい印象を受ける喧騒に包まれていた。
そこらかしこに正装に身を包んだ神様がおり、中にはヘラ様の本拠地へ走っていく神様もいれば、優雅に馬車に揺られながら向かう神様もいる。ただ、共通しているのは傍に各ファミリアで一番の者を付き添わせていることだ。
「すごい数ですね……オラリオにこんなに神様がいるなんて知りませんでした」
「まぁ中にはひっそり暮らしてるのもいるし、有名になりたがらないのもいるからね。天界にいた神のほとんどがこのオラリオにいると思った方が良いよ」
元々オラリオはダンジョンの蓋として機能していた街である。馬鹿みたいに広大な面積を誇るダンジョンを更に覆わなければならないオラリオの敷地はお察しの通りだ。しかし、そう解っていても、今目の前に沢山いる神様たちがそれぞれの本拠地を構えていて、数十人の構成員を持っているとは信じられなかった。絶対土地足りないって。
かく言う私たち【セレーネ・ファミリア】も一家庭が持つような小さな本拠地だから、大半が私たちと同じなのかな?
それにしても、完璧な容姿を誇る男神様女神様に紛れて、派手に着飾った冒険者や職人さんたちがゴロゴロいる。
そう、私はこれから、たった一通の手紙で神様たちを萎縮させてしまえるようなファミリアの本拠地に向かわなければならないのだ。
改めて自分の服装を見下ろしてみて、おかしくないかチェックする。
淡い青が染色された白のドレスだ。今までこんな立派な服を着たことが無いから落ち着きが無い。元田舎娘の私が着て変じゃないだろうか。
「まだ気にしてるの? 元が可愛いんだから似合わないはずがないって何度も言ってるじゃん」
「い、いえ、そう言ってもらっているんですが、やっぱり自分に自信が持てなくて……」
「いい加減クレアは自分の容姿を自覚した方が良いと思うなぁ。変な男に引っかからないか心配だよ」
困ったなぁ、といつもの口癖を零しながら私と共に歩みを進めるセレーネ様は、いつもと同じカッターシャツとズボンに小さなネックレスという普段着だ。周りが見たら余程自分の容姿に自信があるのかオラリオ内で地位の高い女神様なんだろうと思うだろう、けれど驚くなかれ、セレーネ様は「これで大丈夫でしょきっと。ヘラも固いこと言わないだろうし」という理由だけで普段着を選んでるんだぜ……。
まあ、その普段着は一般的には普通の格好なんだろうけど、セレーネ様が着た途端に凄い挑発的なものに変わるから大変なんだけど。
最近判明した、服のサイズが合わないから大きく開けた胸元。程よい肉つきを更に際立たせるよう
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